マエケン容認の広島「いいタイミング」
広島が4日、ポスティングシステムを利用して、メジャー挑戦を希望する前田健太投手(27)について、容認する意向を発表した。広島市内の球団事務所で鈴木清明球団本部長(61)が会見。今年の活躍やチームへの貢献度など、総合的な判断で「一番いいタイミング」と経緯を説明した。来週中にもNPBを通じ、大リーグ機構(MLB)に移籍を申請する。
鈴木球団本部長は会見の冒頭、容認に至った経緯を明かした。今シーズンの活躍や貢献度、来年以降の選手の権利や、ポスティング制度の環境など、総合的に判断した上での決断。前田本人には3日夜に伝えたという。
「来年のチームの編成や、今年の活躍やこれまでの貢献。来年以降の選手の権利や、ポスティング制度の環境など、さまざまな要素を総合的に検討した」
残留なら前田は来季、国内FA権を取得する。現在の出場選手登録日数は7年137日。同本部長は「あと8日あれば本当はFAの年。権利は取ってないが、彼の思いを重く受け止めた」と説明した。仮に移籍を認めなかった場合、来オフは国内移籍など可能性が広がるだけに「一つの要因ではある」と続ける。
また、現行のポスティング制度は今オフ限りで一度失効。再び見直し期間に入る。同本部長は「制度自体がどうなるかも分からない。不安定要素がかなりあるので彼の夢を実現するには、今年の方がいいんじゃないかと判断した」と補足した。
「挑戦するのであれば成功してほしい。成功がわれわれ球団にとっても、そういう選手を育てた球団だ、と誇りを持って言えるのではないかと思います」
同本部長は成功を強く願った。譲渡金について「それについてはまだ」と濁したが、上限の2000万ドル(約24億6000万円)に設定すると見られている。来週中にもNPBを通じて、MLBに申請する予定。実現すれば来季戦力ダウンは必至だが、最後は夢を尊重、後押しする形での容認となった。