安心してください－勝ちますよ！広島の大瀬良大地投手（２４）が６日、“ポスト・マエケン”に名乗りを上げた。球団は４日、前田健太投手（２７）のメジャー挑戦を容認。大瀬良はすぐにメールで前田を激励し、自身の決意を伝えた。前田からは「任せたぞ」と、返信があったという。エースの言葉を意気に感じ、その系譜を受け継ぐ覚悟だ。

　最低気温８度と寒空の広島で、大瀬良の心は熱く燃えた。芽生える自覚、責任、そして希望。語り出した言葉は次第に強く、熱を帯びた。ポスティングシステムを利用して、前田のメジャー挑戦が容認された４日、２人はメールを交換した。

　大瀬良「おめでとうございます。来年から自覚を持ってやっていきますので。安心してください！！」

　前田「これからはお前が中心となって、やっていかないといけない。任せたぞ」

　エースからエース候補へ。交わされた絆。大瀬良は「この言葉を意気に感じてやっていく」と決意を新たにした。今季は主に中継ぎで５１試合に登板。来季は再び先発に転向する。右腕にとって３歳上のエースは「兄貴であり、師匠」だという。

　シーズン中にも助言を求めた。「打たれることが怖かった。『そんな時があったんですか』と聞きました」。前田が重要視したのは、技術以上に精神的な部分だった。「いつでも怖さはある。ただ、自分の球を信じて投げるしかない」。大瀬良はエースの言葉に驚き、背中を押された。

　「あのレベルの一流の人でも、そういう気持ちだった。その中で結果を残している人が、マエケンさんのような存在になるんだと。自分の球を信じて投げることがすごく大事」

　現在はシーズン中の蓄積疲労と、中指関節炎の回復を最優先にする。筋力強化や柔軟性を高めるトレーニングが中心。体重も４、５キロ落として８４～８５キロにした。この日も４０メートルの距離からネットスロー。２月１日のキャンプインを逆算して、焦らずリハビリに励む。

　「今年は思い描いていた形にできなかった。来年は３年目。後輩にも、見本となる姿勢を見せていかないと」

　前日５日には、緒方監督が「２桁以上を期待している」と後継者に指名した。年内はマツダを中心に、年明けからは母校九共大で自主トレする。「重圧には感じない。もっと、もっとやってやろうという気持ちになる」。前田から、大瀬良へ。受け継がれるエースの系譜。チームのピンチは、チャンスに変える。