新井「25」で原点回帰!いざ2千安打
広島の新井貴浩内野手(38)が16日、広島市内の球団事務所で契約交渉に臨み、4000万増の6000万円で更改。同時に背番号が「28」から「25」に変更されることが決まった。「愛着ある」番号で戦う2016年。残り29本の2000安打と、黒田博樹投手(40)の200勝同時達成で、25年ぶりのリーグ優勝を誓った。
喜びを感じた一方で、新井は5年、10年先のチームを思った。球団から背番号変更を提案され、一度は首を横に振った。だが、最後は「25番で2000安打を達成してくれ」という言葉に、腹をくくった。「思い入れのある」番号で戦うと決めた。
「自分がまた付けていいのか…と。最初は若い子にあげてくださいと言いました。悩んだけど(球団から)そこまで言っていただけるなら、付けさせてもらおうと思った」
1999年の入団当初から、16年間背負った愛着のある番号。「28」番として、8年ぶりに古巣復帰した1年もスタンドを見上げれば、「25」のユニホームが目にとまった。「本当にうれしかった。捨てずに持ってくれてたのか、と」。そんなファンの思いも、変更決断を強く後押しした。
この日、来季の契約を更改。今季年俸2000万円から、3倍増の6000万円でサインした。攻守に活躍し、124試合の出場で7本塁打、57打点。開幕前に右肘、シーズン中に左手甲を脱臼するなどケガと戦いながら、規定打席到達者の中でチームトップの打率・275を記録した。
「感動をたくさんいただいた1年」と感謝した上で、気持ちをすぐに来季へと向けた。「もう一回、体を鍛え直す。結構、ハードにやってますよ」。筋力トレを中心に、振り込み、走り込みと、オフ返上で体を鍛え上げる。プロ18年目、39歳で迎える2016年。目標は「優勝しかないでしょ」と力を込める。
「まだ30本くらいあるので、ピンとこないですけど…。黒田さんが200勝を達成されて、僕も2000本を打って。優勝できたら最高ですね。ファンの方に喜んでもらいたい。その思い一つです」
2000安打まで残り29本。現役続行を決めた黒田は、日米通算200勝まで7勝に迫る。脳裏に描くのは同時到達で、25年ぶりのリーグ優勝達成だ。「打てるだけ、打つ。1試合、1試合、全力でやって結果がついてくれば」。まだ見ぬ頂へと思いを馳(は)せる。再び25番を背負う新井が、バットで、背中でチームを勝利に導く。