負けルナ新井!一、三塁争い激化を歓迎
広島・新井貴浩内野手(38)が18日、今季まで中日でプレーしたエクトル・ルナ内野手(35)の加入を歓迎した。シュアな打撃と内野ならどこでも守れる万能選手。定位置争いがより激化すれば、それだけチーム戦力もアップする。若鯉にゲキを飛ばしながら、自らも競争を勝ち抜いてスタメンを奪い取る意気込みだ。
競争が激化すれば、個々のレベルが上がる。そして、それはチーム力アップにも結びつく。ルナ獲得の一報を受けて、新井が三塁のレギュラーを目指すメンバーの競争心を駆り立てた。可能性を感じ期待を寄せるからこその熱いメッセージだ。
「実績のある選手。センター中心の打撃をするし、得点圏に走者がいると嫌な打者だと思う。戦力としては大きい。チームにとってもいい刺激になるし、競争してほしい。堂林、梵、安部、小窪。負けないぞと思ってやってもらえれば」
来年の春季キャンプで、三塁は最激戦区になる。今季は梵の81試合がスタメン最多で木村昇が24試合、安部が18試合、堂林が14試合、小窪が5試合。併用が続き、最後まで固定できなかった。ルナは日本通算3年で打率・316、34本塁打、184打点と実力は折り紙付き。守備力の評価も高くレギュラーの最右翼だ。
新井は今季、125試合に出場した。試合に出られないときは、ベンチで若手の活躍を自分のことのように喜んだ。彼らが力を付ければ出場機会は減っていくが「頑張れ、頑張れと思っていた」。その輝きが未来につながると信じてきた。
三塁の競争激化は、対岸の火事ではない。今季、堂林や小窪は一塁を守った経験があり、ルナも中日で52試合にスタメン出場した。その活躍次第では、自らの一塁の定位置を失うことにもつながりかねない。
「僕自身も競争」。春季キャンプでは今年と同様に挑戦者の気持ちで泥にまみれる覚悟がある。この日はマツダスタジアムで体を動かし、来年も元旦から始動予定だ。7月以降は不振に陥り、チーム成績も下降線をたどった。その悔しさが来季への力になっている。
来年1月には鹿児島市内の烏帽子山最福寺で12年目となる護摩行に臨む。燃え盛る火柱を前に1時間以上、経を唱え続ける荒行に「苦しいし怖い」。それでも「これをやることで戦う心の準備ができる」と迷いはない。見据えるのは25年ぶりの頂のみ。その一翼を担うために、38歳の新井はサバイバルレースを勝ち抜く。