堂林が挑戦状 打倒ルナ!三塁奪う
広島・堂林翔太内野手(24)が19日、獲得が決まった前中日のエクトル・ルナ内野手(35)に挑戦状をたたきつけた。来季、三塁の定位置を争う最大のライバル。この日は広島県安芸郡の商業施設で、鈴木誠とトークショーに参加。「超えないといけない壁」と前置きした上で、約400人のファンを前に「でも、負けません!!」と強い覚悟で宣言した。
質問内容は聞かなくても分かった。イベント終了後の取材。堂林は開口一番に「ルナですか?」と笑った。前日18日に獲得発表。三塁の定位置を争うライバルに「現時点で技術では及ばない」と言う。だが、勝つのはオレだ-と宣戦布告した。
数年来、主力候補として期待される堂林は今季、33試合の出場で打率・261、0本塁打、3打点。2012年の1軍初昇格以降、6年目でワーストの成績に終わった。球団は三塁を補強ポイントとし、中日での3年間で通算打率・316を残したルナを獲得。難敵の出現で立場は一層、厳しくなった。
「期待を裏切っている自分が悪い。間違いなくいい打者。素直に受け止めないと。超えなきゃいけない大きな壁。唯一負けてないのは、若さとスピード。いい目標になります」
3割打者の打撃技術は「理想に近い」と言う。秋季キャンプで大幅な打撃フォーム改造に着手。オープンスタンスで体の正面にバットを構え、両腕を伸ばす神主打法に挑戦した。さらに現在はすり足から「真っすぐ足を上げて真っすぐ下ろす」イメージで左足を上げるなど、改良を加えている。
目的は三振数の減少と、打球の力強さを増すことだ。力むと体が開き、バットが下がることが悪癖。現在はビデオ撮影で、フォームを確認しながら練習を続ける。「シンプルにいこうと思う。率を上げるだけじゃなく、より球に力を伝えるためです」。手応えを感じながら、オフ返上で振り込む日々を過ごす。
球団はルナ獲得で堂林ら若手の競争、奮起と台頭を求める。球団首脳や、新井らベテランも潜在能力を高く評価。「三塁はお前が守らないとダメだ」という声は、堂林の耳にも届いている。「自分自身、期待されて裏切っている。早くそういう時が来るように」。強い覚悟を持っている。
イベントでは約400人を前に、今シーズンの成績を謝罪。鯉のプリンスは、その上で打倒ルナを固く誓った。「ライバルになるので。負けません!!」。拍手喝采、ファンの声援が力に変わる。プロ7年目、25歳を迎える2016年。有言実行の戦いは始まっている。