広島・安部友裕内野手（２６）が２３日、広島県廿日市市の大野練習場での合同練習に合流した。２２日までは梵英心内野手（３５）とグアムで初の海外自主トレを行ってきた。勝負の９年目。常夏の地でバットを振り込み、三塁のレギュラーを狙う春季キャンプに向けた準備は整った。

　真っ黒に日焼けした顔が、充実した日々を物語っていた。梵と参加した初めての海外自主トレ。安部はグアムでの１０日間を振り返り「今までで一番、練習ができた」と声をはずませた。

　昨年まで福岡・八女市で自主トレを行ってきたが「野球人生は一度しかない。新しいことをやってみよう」と海を渡った。グアムでは最大７時間、汗を流した。温暖な気候にバットを振る量は自然と増えた。ティー打撃に始まり、ロングティーをこなす日々。「休みの日でも練習してしまった」とはにかんだ。

　昨季は２６試合の出場にとどまったが、秋季キャンプで打撃が開眼。石井打撃コーチの提案で取り組んだバットを指３本分、短く持つフォームが功を奏し紅白戦などで安打を量産した。「春のキャンプでも打ち続けていきたい」。手に残る感覚に磨きを掛けてきた。この日の打撃練習では、広角に力強い打球を飛ばし続けた。

　目指すのは三塁レギュラー。新加入した実績十分のルナ、巻き返しを狙う堂林や梵ら、ライバルは多い。「レギュラーを獲ることしか考えていない。試合の最初から最後まで出られようになりたい」。三塁は今春最大の激戦区。サバイバルレースを勝ち抜くため、安部が全力で突っ走る。