誠也、直伝内川流で全戦スタメンじゃ
広島の投手野手合わせて21選手が26日、先乗り自主トレが27日から行われる宮崎県日南市の宿舎に到着した。鈴木誠也外野手(21)はソフトバンク・内川聖一外野手(33)との合同自主トレで7年連続打率3割を残した現役最強の右打者から伝授された打撃技術を武器に、外野の定位置を奪取し、全試合スタメン出場を目指すと誓った。
目指すべきところは決まっていた。引き締まった表情でチーム宿舎に入った鈴木は「最後に笑えるように全試合でチームに貢献したい」。外野の定位置を奪取し、全143試合にスタメン出場する決意を示した。
右翼の定位置をめぐるチーム内の争いが間もなく始まる。この日、投手9人野手12人の計21人が、日南市の宿舎に到着した。その中にはライバルの松山、野間も含まれている。
昨季は97試合に出場したが、そのうちスタメンは51試合。相手先発が右投手の場合は松山、野間が起用され、鈴木は代打や代走、守備固めにまわった。
常にスタメンで起用されるには、相手投手の右左に関係なく安定した打撃成績を残すことが求められる。プロ4年目の今季、危機感を持ちながら臨んだオフのトレーニングで大きな自信を得た。
ソフトバンク・内川との合同練習。7年連続の打率3割を残した右打者の打撃練習に「力を入れなくてもボールは飛ばせる」と衝撃を受けた。
今までは手や腕でボールを捉えようと力んでバットを振っていたが、これからは違う。「トップの位置をいつも以上に大事にしている。足に意識を置きながらボールを捉えるイメージ」と改良フォームに手応えはある。
27日からの先乗り自主トレでもやることは同じ。「やってきたことを継続したい。ビデオに撮ってダメなところを見つけ、直す練習をしたい」。最強の右打者から伝授された打撃理論を完全にマスターする。
「今年、結果を出さないと自分の方向性が決まってしまう。左投手が先発ならスタメン、右投手なら代打。そういうことになりかねない。しっかりとレギュラーを取らないといけない」。今オフ、そう話したことがある。
正外野手として確固たる地位を築くのか、準レギュラークラスのまま終わるのか。今シーズンがその分岐点となると覚悟を決めるだけに、負けるわけにはいかない。固い決意を示した若鯉が、25年ぶりの悲願達成の大きな力になる。