プライディ魅せた“ツインズ打法”じゃ
「広島春季キャンプ」(3日、日南)
新外国人、ジェイソン・プライディ外野手(32)=前アスレチックス傘下3A=が3日、高い打撃技術を披露した。ランチ特打では、90スイング中42本が安打性。左方向の打球が大半を占めた。参考にするのは直接指導を受けた米大リーグ・ツインズの大打者3人。伝説のメジャー・リーガーの金言を胸に、日本野球にも柔軟に対応していく。
右に左に、打球はヒットゾーンに落ちた。打撃練習を始めたプライディは、投げる石井打撃コーチに細かくコースを要求。大振りは必要最小限に外角球を、左方向へ繰り返し打ち返した。90スイング中42本が安打性。対応能力の高さを示した。
「非常にいい感じでバットが振れている。インサイドは引っ張って、外の球は逆らわず逆方向に対応していくのが自分のスタイル」
「験担ぎ」に伸ばし続ける顎ヒゲをさする。充実の日々に自然と笑みがこぼれた。柵越えは2本。外角球への対応、中堅方向への狙い打ちなど順を追って、要所で内角球にフルスイングした。2本はいずれも高く放物線を描いた打球。昨季3Aナシュビルで20本塁打。確実性に加えて、長打力も魅力の一つだ。
2002年ドラフト2巡目でデビルレイズ(現レイズ)入団。08年にツインズでメジャーデビューした。礎となっているのは同年、出会った大打者からの「好球必打」の金言。首位打者3度のトニー・オリバ氏、首位打者7度のロッド・カルー氏、現監督で通算3319安打のポール・モリター氏。3人に直接指導を受けた。
「自分にすごくよくしてくれたんだ。アプローチの仕方、(打席で)気持ちの持っていき方…。ツインズの人たちが教えてくれたことが、いまでも自分の基本になっているよ」
教えを忠実に守る助っ人は、日本野球へも順応だ。キャンプに備え、新年1日から打撃練習。「反復練習が多い」日本の練習に、対応できるよう体を仕上げてきた。練習前にホテルの湯船で体を温めた後、球場のトレーニング室で筋トレが日課。ケガ予防、技術向上に余念がない。
課題の得点力不足解消へ、石井コーチも「実戦の対応を見てみないと。けど外国人特有のクセもないし、(日本野球に)ハマればおもしろい」と高評価する。メジャーで黒田からも本塁打を放った長距離砲。「楽しみながらできている。実戦に入れば、好球必打を心掛けてやっていく」とプライディ。“ツインズ打法”で打点を稼ぐ。