新井“コリジョン走”一塁から生還
「オープン戦、ヤクルト1-11広島」(20日、浦添)
三塁ベースを回ると、広島・新井は迷わず加速した。捕手のタッチをかいくぐって、伸ばした左手でホームイン。新ルールに対応した激走、好走塁だ。「あのケースで突入が僕でも多くなる」。今年初の対外試合出場で、39歳ベテランが全開発進だ。
「新ルールじゃなかったら、どうかな、というタイミング。滑り込む前に、捕手の動きはしっかり確認した」
四回2死から「追い込まれたけど、反応できた」と、しぶとく左前打で出塁した。続く松山の右翼線への打球で、一塁から一気に本塁へ生還。今季から適用される「コリジョン(衝突)ルール」が頭にあった。捕手のブロックが禁止になったことで、新井は「(本塁を)開けて見えた」と振り返った。
三塁ベースコーチの河田外野守備走塁コーチは「今までより一歩手前でも、回してみようというイメージ」と説明。迷いのないジャッジに、敵将の真中監督も「2死で勝負する場面だからね。いろんなゲームを想定して、確認していると思った」と警戒していた。
また三回1死三塁の場面で、前進守備を敷くヤクルトが遊撃へのゴロにもかかわらず一塁に送球した。「守備側からすれば、勇気を持って投げないことも必要になる。いろんなケースをシミュレーションして準備したいです」と新井。新ルールで変わる野球に、ベテランも研究を怠らない。