「練習試合、日本ハム１－２広島」（２７日、名護）

　広島の福井優也投手（２８）が、練習試合に先発。３回無安打無失点と好投した。テーマに掲げていた変化球の制球力も抜群で、指名打者で出場した“二刀流”大谷翔平投手（２１）を空振り三振に仕留めるなど、打者９人を圧倒した。今季、自身初の２桁勝利を目指す右腕は、開幕へ向けて順調な調整を続けている。

　威風堂々とマウンドに立ち続けた。福井はポーカーフェースで右腕を振り抜く。主力がズラリと並んだ打線を相手に、３回を完全投球。今キャンプ最後の登板を、納得の４２球で締めくくった。

　「考えながら投げられたのは良かった。カーブでカウントが取れ、スライダーも試せた。課題を持って臨んだマウンドで、それができたと思う」

　二回無死で４番・中田を直球で遊飛。続く指名打者・大谷は外角低めのフォークで空振り三振に斬った。常時１４０キロ台の直球で押しながら、時には変化球でタイミングを外した。剛と柔を巧みに使い分け、強力打線を手玉に取った。

　昨季９勝をマークし、今季は自身初の２桁勝利を目指す。さらに完投にも強い意欲がある。「去年はなかった。安仁屋さんも言っていたし、もう一度、認識させられた」。今キャンプで臨時投手コーチを務めた安仁屋宗八氏（デイリースポーツ評論家）の熱い言葉に原点回帰。一度、上がったマウンドは誰にも譲らないと、心に決めた。

　「ケガをしないように、しっかりと調整していきたい」と前を見据える。開幕へ向けて着実に歩を進め、対外試合は２試合計６回を投げて無失点だ。「申し分ない結果を残してきた。ローテの軸になる存在。頼もしく見える」。緒方監督の言葉が、チームの思いだ。