丸が巻き返す!7試合で打率・455
「練習試合、広島6-1日本ハム」(28日、コザしんきんスタジアム)
広島は28日、沖縄・コザしんきんスタジアムで行われた日本ハムとの練習試合で勝ち、春季キャンプを打ち上げた。最後に好調をアピールしたのは丸佳浩外野手(26)だ。2安打を放ち、マルチ安打をマーク。これで今キャンプの対外試合は全7試合に出場し、22打数10安打5打点、打率・455。昨季は不振にあえいだが、巻き返す態勢は整った。
抜けるような青空の下で、丸が輝いていた。今キャンプ最後の対外試合。昨秋から取り組んできた新打法で、きっちり2安打だ。復活の兆しを手にした充実の28日間を、最後は笑顔で締めくくった。
「実戦の中で結果が少しずつ出てきて、ホッとしている。追い込まれた中でも、いい打撃ができた。まだ、模索するものがある。それを開幕までのあと1カ月で、練習でしっかりとやっていきたい」
巧みなバットコントロールが戻ってきた。三回無死一塁では、豪腕・有原から一、二塁間を突破。一、三塁と好機を広げ、4点目を呼び込んだ。五回1死二塁でも技巧派左腕・武田勝から右前打。昨季から課題と言われて続けてきた、左足のかかとに体重が乗る悪癖は見られない。若き鯉のリーダーはしっかりと球を捉え、確実にヒットゾーンへはじき返した。
この2安打で、今キャンプは対外試合7試合で4度目の複数安打をマーク。通算は22打数10安打5打点で、打率・455。チームは無敗の7連勝を果たしたが、大きな推進力をもたらしたのは背番号9に間違いない。
14年に打率・310を記録したバットマンは昨季、打率・245と不振に陥った。復活を期して昨秋から打撃改造に着手。タイミングを取るために、新たにグリップを上下させた。「フォームよりはタイミングの取り方に一番、不安があった」。無心でバットを振りまくった日々。「今は間が取れている。取り組みを初めて4カ月くらい。これくらいの時期から、ようやく成果が出てくるもの」と東出打撃コーチ。少しずつ前に進み、確信へと変えていった。
今季も野手の中心に丸がいなければならない。その大きな重圧をはねのける準備を、しっかりと整えてきた。「アウトのなり方もそう。内容はよくなっている。これからピッチャーの精度がもっと上がってくる中でいい打撃をしたい」と前を見据えた。ひたむきに、真っすぐに。悲願へと続く長い道のりを、そのバットで切り開いてみせる。