開幕投手はジョンソン!監督が直接伝達
広島のクリス・ジョンソン投手(31)が今季開幕投手を務めることが1日、決まった。マツダスタジアムでの全体練習後、緒方孝市監督(47)が明言した。開幕はマツダでのDeNA戦。来日1年目の昨季は14勝を挙げ、マツダでは8連勝を含む10勝を手にした。本拠地で圧倒的強さを誇る助っ人左腕に、大事な一戦を託す。チームで外国人投手が大役を担うのは、13年のバリントン以来、4人目となる。
最高気温5度。小雪が舞う寒さも、吹き付ける風の冷たさもお構いなし。ジョンソンの言葉は、次第に熱を帯びていった。春季キャンプを終え、再開したマツダスタジアムでの全体練習。この日、用意されていたのは緒方監督からの開幕投手伝達だった。投手にとって栄誉な出来事に胸が熱くなった。
「自分の仕事をしっかりして、勝利に貢献したい。開幕へ向けて調整していく」
来日2年目で大役を担う。昨季は最優秀防御率(1・85)のタイトルを獲得。勝利数は15勝で最多勝の前田(現ドジャース)に次ぐ14勝を挙げた。さらに本拠地では無類の強さを誇り、マツダスタジアムでの防御率は1・66。6月28日・中日戦からは8連勝をマークした。緒方監督は「きょうジョンソンに伝えた。オープニングゲームに投げてもらう。うれしそうにしていた。気持ちと体をしっかり調整してほしい」と期待した。
開幕投手候補だった大瀬良がキャンプ終盤に右肘を痛めて戦線を離脱した。黒田も候補の1人だったが、指揮官は「開幕戦は143分の1だけど、開幕投手はローテの軸になる部分が大きい」と語った。昨季、黒田は2度、出場選手登録を抹消された。登板間隔を開けてでも1年間を通しての活躍を求めており、助っ人左腕を抜てきした。
春季キャンプでは、従来のチェンジアップより球速が遅い新球“スプリットチェンジアップ”の習得に成功。対外試合は2試合に登板し、計6回2/3を1失点と安定感を示した。昨季より5キロ増で入った体は、しっかりと絞り込んだ。この日は、今オフに全面改修されたマツダスタジアムで初めての練習。投内連係などで新しくなったマウンドの傾斜や状態をチェックし「問題ないね」と笑った。2年目を前に不安はない。
開幕戦を白星で飾れれば、悲願達成に向けて大きなはずみがつく。「まずは自分の投球をしたい。チーム一丸となって戦っていく」と前を見据えた。託された任務を全力で成し遂げる覚悟がある。チームへ大きな推進力をもたらすために、ジョンソンが3月25日、DeNA戦のマウンドに立つ。