黒田3失点も心配無用…順調なら2戦目
「オープン戦、広島3-4西武」(6日、マツダスタジアム)
広島の黒田博樹投手(41)が今年初めて対外試合に登板した。左くるぶし内側に打球を受けて途中降板し、2回2/3を6安打3失点。患部の状態は気になるところだが、新球のチェンジアップや新フロントドアを試投。収穫を手にした初マウンドとなった。次回登板は7日の状態次第だが、問題がなければ2度の実戦を経て26日のDeNA戦(マツダ)に先発する予定だ。
右手でグラブを強くたたくと、顔をしかめてベンチに向かった。2016年の対外試合初登板。黒田は左くるぶし内側に打球を受けて途中降板した。2回2/3を6安打3失点。アイシング治療の後、46球を投じた初登板を振り返った。
「足は、打球がバットの芯ではないので、ダメージは少なかった。大丈夫です。ブルペンから感覚はよかったんですけど、打者との反応差が大きかった」
アクシデントは三回だ。2死一、二塁で打席にメヒア。2-2からの5球目、外のツーシームを打ち返されると、ダイレクトで左くるぶし内側に当たった。打者走者を一塁でアウトにしたが、大事を取って降板。続く西原が適時打を浴びて、計3失点となった。
実戦感覚を取り戻す前に、西武の積極的な打撃にやられた。初回、2死三塁で打席に4番の中村。内角を狙ったツーシームが甘く入り、中堅手前へ落とされた。二回は早いカウントを狙われて被安打3本。「真ん中に集め過ぎた」と反省した。
課題を口にした一方、手応えもあった。二回、2死一、二塁で栗山を、挑戦中の新球チェンジアップで遊ゴロに。さらに三回には無死二塁で浅村を“新フロントドア”で見逃し三振に抑えた。“新フロントドア”は右打者の内角を狙ったカットボールで、「スライダーの状態がよくない時に使える球」として新たに習得中だ。
「ああいった投球ができれば幅が広がる。打者の感覚が変わってくれればいい。左打者の外に、バックドアでカッターは使わなかったけど、右に使えたら左にも使える。どんどん使っていきたい」
降板後には患部に腫れも出たことで、2度のアイシングと圧迫治療を施した。黒田は「シーズンなら投げている」と一蹴したが、緒方監督は調整のズレを懸念。「骨どうこうではないが、(箇所が)関節にかかっているので。次回の調整が変わってくるのであれば、心配だ」と話した。
今後は7日の状態を見て決めるが、問題がなければ2度の実戦を経て、26日の開幕第2戦のDeNA戦に先発する。「やりたいこと、試したいことはできた。防げる所はしっかり防ぎたい」と黒田。20年目の開幕まで3週間を切った。収穫と課題、反省を糧に、着実に歩みを進めていく。