ジャクソン&ヘーゲンズが“延長戦”
“八回の男”を懸けた広島の新外国人投手2人による争いは“延長戦”に突入する。ジェイ・ジャクソン投手(28)=前パドレス=とブレイディン・ヘーゲンズ投手(26)=前レイズ傘下3A=が共にオープン戦と練習試合などで無失点と好投。畝龍実投手コーチ(51)は11日、役割を決める期限をオープン戦全日程が終了する21日まで先送りする方針を示唆。アピール合戦はあと8試合だ。
ジャクソンか、それともヘーゲンズか-。八回を担うセットアッパーが開幕まで2週間を切っても決まらない。両新助っ人が繰り広げるハイレベルな競争に、畝投手コーチは決定期限の延長を示唆した。
「両方(2投手とも)いいものを見せてくれている。タイプが違う中でどっちを取るか。(19~21日の)ソフトバンク3連戦まで延びる可能性はある。ギリギリまで決めかねると思う」
投手の外国人枠は基本2つ。左腕ジョンソンが開幕投手に決定しているため、残るは1枠だ。当初は13日・DeNA戦(福山)後にも役割を決定し、15日・ヤクルト戦(神宮)からの6試合で公式戦を見据えた戦いをする予定だった。両右腕が甲乙付けがたい結果を残しており、オープン戦最終戦の21日・ソフトバンク戦(マツダ)まで評価の先送りを決めた。
株価が急上昇しているのは、実戦6試合で計5回無失点のヘーゲンズだ。10日の教育リーグ・ソフトバンク戦(由宇)でも好投し、「カットボールで150キロの球速が出ていたという報告があった。スピードならジャクソンと同等」と畝投手コーチ。フィールディングやけん制などの安定感に加え、打者をねじ伏せる力強さを見せた。八回を任せるには十分な力があることを証明した。
豪腕ジャクソンも負けていない。実戦5試合で計5回無失点。6日・西武戦(マツダ)では、課題のセットポジションからの投球時間が及第点の1・2秒と向上。三振が奪えるのは大きな魅力だ。
この日、2人はマツダスタジアムでの全体練習に参加し、キャッチボールなどで汗を流した。キャンプ中から「与えられた役割を全うするだけだよ」と言い続けており、気負いはない。
抑えは昨季と同様に中崎が務める。守護神にバトンをつなぐのは、誰になるのか。畝コーチは「うれしい悩み」と目尻を下げる。2016年版鯉の勝利の方程式入りを目指した競争はまだまだ続く。