黒田「燃える」反骨の20年目開幕
「広島-DeNA」(25日、マツダスタジアム)
プロ野球は25日、セ、パ両リーグ同時に開幕する。広島の黒田博樹投手(41)は24日、20年目のシーズンを前に「見返したい」と胸中を語った。8年ぶりに古巣復帰した昨季は、優勝の期待が高まる中、結果は3年ぶりのBクラスだった。今季の下馬評は決して高くないが「燃える材料になる」と黒田。チーム一丸となって25年ぶりの頂点に立ち、低評価を覆す覚悟だ。
大きな不安と、少しの余裕が胸を占める。骨身を削って、積み上げた歳月。月日を重ねても、幾多の経験を踏まえても、変わらない思いがある。間もなく始まるプロ20年目、2016年シーズン。25年ぶりの頂点へ-。黒田は笑顔の裏に強い覚悟と、雪辱を秘めた。
41歳で迎える1年。8年ぶりに古巣復帰した昨季は、チームとして優勝の期待が高まる中、結果は3年ぶりのBクラス。エースだった前田が抜けた今季、下馬評は決して高くないが「燃える材料になる」という。黒田の闘う原動力だ。
「僕自身、常にプレッシャーは感じて戦っている。見返したい気持ちがなければ、それはウソだと思う。僕だけじゃなく、選手全員がそういう気持ちで挑めば、また違った結果になってくると思う」
今季初登板は開幕第2戦、26日・DeNA戦(マツダ)の予定。この日は必勝祈願後、マツダでの全体練習に参加し、キャッチボールやバント練習などで調整した。「何年、経験しても開幕は身の引き締まる思い。それは変わらないです」。節目の日米通算200勝まで7勝。41歳で2桁勝利なら、自身の持つ球団記録を更新する。
オープン戦は3試合で12回2/3を19安打10失点。防御率5・68と数字上は不安を残す形となった。だが、新球チェンジアップや、本格習得を目指すカーブ、右打者の内を狙うカットボールなど、随所に新たな試みを取り入れた。復帰2年目の挑戦。「昨年、1年を経験したことで、周りは見えやすくなっている」と進化の道を探った。
「楽しみなことは一切ないですね。決して平たんな道のりじゃない。この時期は不安というか、自分なりに準備して、チームにいかに貢献できるか。その不安はあります」
2年連続の本拠地開幕。スタンドが真っ赤に揺れる。「周りの人の期待に応えたい、チームの力になりたい。自分どうこうというより、そういう方が強くなってきていますね」と黒田。個人記録は通過点。「不安」を力に変え、下馬評は結果で覆す。さあ、行こう。ともに戦おう。20年目の挑戦が今、始まる。