カープ黒星発進も…新井は元気!
「広島1-2DeNA」(25日、マツダスタジアム)
あと一歩及ばず、広島は2年連続の黒星スタートとなった。4安打1得点と貧打に泣いたが、2000安打を目前に控える新井貴浩内野手(39)が唯一の2安打と孤軍奮闘。節目の大記録まで残り「27」本とした。26日は黒田博樹投手(41)が先発予定。投打の大ベテランが、2016年の初白星へ導く。
大きく息を吐くと、言葉を絞り出した。まだ耳に残る大歓声と、3万459人のため息。ベテランが執念を魅せたが、あと一歩、届かなかった。無念の惜敗。2年連続の黒星スタートとなった試合後、新井は振り返ることを避けて次戦を見据えた。
「あしたのゲームでね。また、あした。しっかり戦いたい」
敗れたが、見せ場はつくった。1点ビハインドの九回だ。2死走者なしで打席に立った新井は、ファウルで粘った6球目。守護神・山崎康の高めに浮いた136キロシュートを中前に運んだ。通算1973本目の安打。1軍野手最年長のベテランが、最後まで勝利の執念を背中で示した。
2年連続の本拠地開幕。鯉打線はDeNAの開幕投手、井納の前に苦しんだ。交代する七回まで散発3安打で無得点。緒方監督は「状態が一番よかった」と、7番・右翼に下水流を起用。右左のセオリーや相性にこだわらず、オープン戦の内容を最重視した。結果的に無安打で「独特の雰囲気の中で力が入ったかな」と残念がった。
好投手は簡単に、打ち崩すことは難しい。「チャンスが少ない中でヒットは4本だったが、いい当たりも数多くあった」。各選手の打席内容を評価した上で、指揮官が悔やんだのは2点を追う八回の攻撃。2四球と暴投で1死一、三塁したが、1点で終わり「あそこで追いつくところまで行きたかった」と続けた。
掲げるのは「投手中心の守り勝つ野球」、「接戦を勝ちきる野球」。敗れはしたが、変化は見せた1敗だ。「全員で勝ちをもぎ取る。切り替えて頑張ってもらいたいね」と緒方監督。中心となるのは、好状態の新井だ。
七回にも左前打で唯一のマルチ安打。「球の見え方はまずまず」と、節目の大記録まで残り27本とした。だが、求めるのは得点につながる一打、勝利を導く一打だ。「もうオープン戦じゃないから。どんな打席でも打たないといけない」と新井。1敗は次戦の糧にする。まず1勝を。前だけを向いて戦っていく。