天谷感涙…黒田とお立ち台でV宣言
「広島3-1DeNA」(26日、マツダスタジアム)
レジェンド黒田と上がったお立ち台で、鯉党の大歓声を浴びた。苦しかった日々がよみがえる。「7番右翼」で先発出場した15年目のベテラン、広島・天谷宗一郎外野手が、攻走守で活躍。チームに今季初勝利をもたらした。
六回、新井の中前適時打で同点に追いついた直後の1死一、二塁から右翼線に決勝打を放った。「新井さんが打ってくれて、すっと打席に入れた」。2球目の内角直球に差し込まれながら、気迫でバットを振り抜いた。
逆転劇直前の六回の守りでは、2死二塁から柴田の右前打を処理し、本塁へ好返球。試合の流れを呼び込んだ。八回には、2死から中前打で出塁すると、二盗を決め、石原の二ゴロを柴田がファンブル(記録は失策)する間にダメ押しのホームを踏んだ。
昨秋のキャンプから若手とともにバットを振り込んだ。キャンプ、オープン戦でも結果を残しながら、25日の開幕戦は下水流にスタメンの座を奪われた。「若い選手には負けたくない気持ちというのもありますし、隙を見せないようにしたい」。プロの厳しさを熟知する。右翼のレギュラー争いでは、年長者であるが、まだ32歳。老け込む年齢ではない。
涙目で声を詰まらせたヒーローインタビューの最後に「優勝します」とさけんだ背番号49。緒方鯉の起爆剤となる。