緒方鯉あぁ~大暗転、一時5点リードも
「中日9-5広島」(31日、ナゴヤドーム)
まさかの大暗転…。広島は5点リードの七回、満塁弾を浴びるなど一挙7点を奪われ、痛恨の逆転負けを喫した。1イニング7失点は昨年、5月28日のロッテ戦(マツダ)以来。これでカード負け越し、勝率5割に戻った。きょう1日からは本拠地・マツダに戻って、巨人との3連戦を迎える。開幕ダッシュへ仕切り直して、宿敵撃ちじゃ。
大勝ムードは七回、一瞬にして暗転した。スタンドに消えた打球を、マウンドの中田がぼう然と見つめる。5点のリードを守り切ることができず、7失点で痛恨の逆転負けだ。これも鬼門ナゴヤドームの悪夢か。勝利は手元でスルりと落ちた。
七回だった。5点リードの展開にもベンチは継投を選択。勝ちパターンで起用するオスカルを投入した。だが代打谷、大島の連打で一、二塁。1死を挟み、遠藤の左中間二塁打で1点を失った。なおも1死二、三塁。緒方監督は中田を呼んだ。
しかし一度、傾いた流れを、止めることができない。ビシエドに死球を与えると、連続押し出し四球で2失点。たまらずタイムをかけて間を取ったが、続く高橋に2ボールからの3球目、高めに浮いた135キロ直球を右中間スタンドに運ばれた。
30分以上も浴び続けた波状攻撃。1イニング7失点は昨年、5月28日のロッテ戦以来の屈辱だった。「きょうの試合展開からすれば、モノにしなければ。勝ち切らないといけない。結果的にそうなってしまったのは、自分の責任ですね」とは緒方監督。打たれた投手を責めることなく、敗戦の結果を受け止めた。
指揮官が掲げるのは「投手中心の守り勝つ野球」。八回をジャクソン、九回は中崎が控える。それ故にキャンプから「七回を投げる投手」を重要視。競争を勝ち抜き、オープン戦で結果を残したオスカル、中田、今村に託すと決めた。結果的に2人の失点だが、方程式を投入した敗戦。先発のジョンソンは115球を投げ、次回も中5日での登板予定。采配にブレはなかった。
「打たれることもある。ただ、この後が大事。この敗戦を次にどう生かすのか。打線としては、目指す野球ができているからね」
攻撃は3戦連続で先制点を奪った。痛恨の大逆転負けとなったが、開幕から6戦で3勝3敗。本拠地に戻って巨人を迎え撃つ。「しっかり守って1点、1点取っていく攻撃をね。あとに引きずらないようにしたい。それが力になる」と緒方監督。強く前を向いた。まだ6試合。悔しさ募る1敗は次戦の糧とする。