会沢「人生初」満弾!逆転Vアーチ
「広島12-5ヤクルト」(5日、マツダスタジアム)
右拳を高々と突き上げた。沈みかけそうになっていたベンチ、そして球場のムードを広島・会沢翼捕手が一振りで変えた。「人生初」と笑ったグランドスラム。しかも逆転の一撃だ。
「完璧。このチャンスは大胆にいこうと思っていた。ちょっと低い球だったけど、いいスイングができた」
0-1の五回。エルドレッドのチーム初安打をきっかけに1死満塁で出番は来た。成瀬の内角低めの直球を左翼席上段に突き刺した。四回まで左腕の前に打線は無安打。つないで作った千載一遇の得点機を逃す訳にはいかなかった。
昨季は開幕マスクをかぶり、シーズンオフも「レギュラーを取ることが目標」と言い続けてきた。シーズンを前に、その気持ちは徐々に変化してきた。正捕手を奪う気持ちを持ち続けながら「みんなが思っていることは一緒。最後に笑って終わりたい。そのために今できることをしようと考えた」。ベンチから声を出し、引き揚げるナインを出迎える。好循環を生むための努力を惜しまない姿があった。
今季、野村と共に初めて上がったお立ち台で声を張り上げた。「チーム一丸、そして広島一丸で優勝を目指して頑張っていきましょう」。強い団結力で、広島を愛する、すべての人の夢をかなえる。