キクマル虎撃ち!延長十回コンビ決めた
「阪神2-6広島」(9日、甲子園球場)
“キクマル”が勝負を決めた。2-2の延長十回1死から広島・菊池涼介内野手(26)が出塁、続く丸佳浩外野手(26)が右中間へ決勝の二塁打を放った。八回の同点劇の流れを作ったのもキクマル。頼れる同級生コンビの活躍で、今季初めて延長戦を制し、貯金を1とした。
技ありの右前打で出塁した菊池を一塁に置き、丸は集中力を高めた。左対左も関係ない。榎田の初球の直球を、完璧に捉えた。
「甘い球を積極的にいけた。キクの足なら帰ってこれると思った」
丸の中越え二塁打に、菊池が快足を飛ばす。一気にホームを踏み、キクマルコンビで決勝点をたたき出した。
前夜は、1点のリードを守れず、悔しいサヨナラ負けを喫した。
体調不良で前日の試合を欠場した菊池が「ニュースで見ていて、出られなかった僕自身も悔しかった。出ている人はもっと悔しかったと思う」と言えば、「昨日の負け方が非常に嫌な負け方だったので、逆にきょうはこっちが粘れた試合かなと思います」と丸は胸を張った。キクマルが躍動すれば、簡単には負けない。
2点を追う八回の同点劇も、この2人が絡んだ。12三振と抑え込まれていた岩貞を攻める。1死一塁から菊池の右前打で一、三塁とすると、「最低限のこと。率は下がるが打点を稼げればいい」と丸はきっちり二ゴロを転がし、1点差に。続く4番・ルナの中前打で同点に追い付いた。
九回の攻撃では、松山の右翼への打球が、一度は安打と判定されながらもアウトに覆り、緒方監督が審判団に猛抗議を続けた。「監督も熱いものをもって試合に臨んでいるのを改めて感じた。僕らも負けじと熱いものを持ってしっかりやっていこう」。丸はチーム一丸の勝利を強調した。
ここまで連勝は最大「2」だが、連敗も「2」まで。嫌な敗戦があっても、ズルズルと行かず、貯金1で上位をうかがっている。
「(貯金は)一気には増えないので、コツコツ貯めていきたい。チーム全体の打線がいい。あした(10日)は打線で勝ちたい」。自身も6試合連続安打と好調の丸が気合を入れる。金本阪神に勝ち越して、赤ヘル軍団が上昇気流に乗っていく。