黒田53年ぶりG戦2試合連続完封だ
広島の黒田博樹投手(41)が、16日の巨人戦(東京ドーム)に先発する。9日の阪神戦で左足首上部に打球を受けて途中降板。状態が不安視されたが「大丈夫」と、予定通り中6日でマウンドに上がる。2日に続いてG戦2試合連続完封なら、1963年の池田以来53年ぶりの快挙。阪神が敗れ、チームは2014年6月7日以来の単独首位に立った。黒田がその座をがっちりと固める。
一丸で手にする勝利のバトンを、勢いを加速させながらつなぐ。まずは連勝を「4」から「5」へ。対するは宿敵、巨人。2日の完封勝利は記憶に新しい。あれからチームは8戦6勝。G斬り再び-。黒田は静かに、冷静に準備を進める。
「もう完封勝利から1週間以上、たっている。また新たな気持ちで、考えながら投げたい。巨人は一人一人が力のある選手。抑えるために、いろいろ準備してマウンドに上がらないといけない」
巨人戦は通算22勝。阪神と並んで、セ5球団で最多勝数を誇る。自然と湧き上がる強者への対抗心。2日は徹底的に内角を突き、3安打に抑えた。「いろいろと考えてくると思う。前回、打ち取った球を参考にしながら配球を考えたい」と気を引き締めている。
舞台は“因縁”の東京ドームだ。昨年6月30日。八回まで無失点に抑えたが、続投を志願した1点リードの九回に2失点し、逆転サヨナラ負けを喫した。「昨年のことは、もう終わったこと。前回もそう。忘れて、次の登板に向けて準備をするだけ」。日米通算195勝。気持ちの切り替えが20年で培った経験、技術としてある。
「昨年は(東京)ドームの登板が1試合だけだったので、また新鮮な気持ちでマウンドに上がることができる。すべての球が高めに浮かないように。一発で流れが変わったりするので、気を付けていかないといけない」
この日は登板を翌日に控え、マツダで全体練習に参加した。強めのキャッチボールや、短いダッシュで調整。新幹線で東京に向かった。9日の阪神戦で左足首上部に打球を受けて負傷降板。13日にブルペン入りするなど、通常の登板前ルーティンを消化し「足は大丈夫。全く変わりない」と話した。
今季は3戦2勝、防御率1・35。登板3試合でチームは、いずれも勝利している。巨人戦2試合連続完封なら球団では、1963年の池田以来53年ぶりの快挙だ。「先発として試合を作って、いかにチームに勝つチャンスを与えることができるか。やることは変わらない」と黒田。Gキラーとして立ちはだかる。敵地でも勢いは止まらない。止められない。