ドラ1岡田1死KO…6失点で初黒星
「ヤクルト6-4広島」(28日、神宮球場)
ポーカーフェースが崩れた。広島ドラフト1位・岡田明丈投手が唇をかみ、小雨が舞う神宮の夜空に視線を送る。奪ったアウトは、わずか1つ。「立ち上がりをしっかりしなければいけなかった」。狂った指先を修正できず、一回途中でKOされた。
2-0の初回だ。先頭から3者連続四球で無死満塁のピンチを招くと、1死後に雄平に左前2点打を浴びてリードをはき出した。その後は捕逸で追加点を献上。大引に2点打を許し、降板を告げられた。1/3回4四球6失点(自責点4)で初黒星。1/3回KOは、チームでは13年6月1日・ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)での前田以来、3年ぶりだ。
立ち上がりが右腕の大きな課題。試合前ブルペンでの球数を増やし、肩を早く作るなど改善策を講じたが、結果が伴わなかった。試合後、緒方監督は「ファームに落とす」と2軍降格を明言した。
2軍では中継ぎとして再調整する。「やり方を変えないといけない。1回をきっちり投げる練習をする。長い回を投げる力はあるんだから」と指揮官。先発としての期待は変わらない。短い回を確実に抑えることで、立ち上がりの悪さを克服していく。
敗戦の責任を一身に背負い、右腕は声を絞り出した。「次はしっかりと抑えたい」。試合前から降り続いた雨は上がっていた。雪辱を糧に前に進む。