黒田で広島2位浮上!200勝あと3
「広島12-2中日」(30日、マツダスタジアム)
2位浮上じゃ-。広島・黒田博樹投手(41)が7回2失点の粘投でハーラー単独トップの4勝目。今季本拠地では4戦全勝と無類の強さを誇る。これで日米通算197勝目。節目の200勝にあと3勝に迫った。首位・巨人に0・5差。男気右腕が勢い付けた気流に乗り、首位奪取と今季初の同一カード3連勝を目指す。
投げる度に張り詰めた静寂が、鈍い音と同時に歓喜へ変わった。4点リードの六回1死一、二塁。黒田は4番ビシエドに4球連続の内角攻めで遊ゴロに仕留めた。抜群の制球力と強気に内角を突いた101球。7回を8安打2失点でリーグ単独トップの4勝目だ。
「メジャーでも対戦したが、当時とは自分の状態も違う。今の状態でどう抑えるか。ただ、イメージはあったので。早い回から内角を意識させて、それが後半にも生きた。困った時にツーシームで内を突くことができた」
捕手の石原に感謝しながら、振り返った分岐点。「抑えられたので、こういう結果になった」と続けた。二回も内角のツーシームで遊ゴロ、四回は直球で空振り三振。4番を封じて勝利をつかんだ。
「苦しかったです」と言うように、決して本調子ではなかった。初回、先頭の大島には初球を狙われ、中前打で出塁を許した。だが、素早いけん制で刺して波に乗った。大量リードを受けながら「打線がいいので。なんとか七回までしのげました」と感謝した。
4月26日のヤクルト戦(神宮)で、新井が2000安打を達成。4番とエースとして低迷期を支え、長く苦楽を共にした盟友の偉業。「本当に感動した」。当日は登板に向けた調整優先で、広島残留となったが、翌日すぐに祝福の電話を入れ、29日のセレモニーでは花束を贈呈。達成後初めての登板。祝福の思いを込めた1勝だった。
「おめでとうしかないですよ。自分も目の前で見られたらよかったんですけど。その場面、雰囲気を一緒に体感したかったですね」
本拠地4戦全勝。中日を連破して2位に浮上し、貯金は今季最多タイの4となった。日米通算200勝まであと3勝だが「記録を考える余裕はない」と笑う。「あまり先のことは見えない。次の登板でチームが勝てるようにね」。積み上げた197勝は一戦必勝の結果。まだ見ぬ頂点に向け、白星を重ねていく。