黒田が抹消…緊急事態ローテ3人消えた
日米通算200勝まであと3勝に迫っている広島の黒田博樹投手(41)が8日、慢性的に抱えていた「頸部(けいぶ)神経根症」による首の痛みと右肩痛の影響で出場選手登録を抹消された。今後は「10日間以降に万全に近い状態で上がる」と最短復帰を目指していく。チームはこの日、マツダスタジアムでDeNAに1-7で完敗し、2カード連続の負け越しで首位陥落。ダブルショックの1日となった。
黒田は帰宅前、努めて明るく振る舞った。慢性的な首痛と、肩痛の併発。公示直前まで緒方監督、松原トレーナーらと話し込む場面もあったが、最終的には首脳陣に従い、一時戦線から離脱することを決断した。
7日のDeNA戦で4回6安打3失点降板。二回に5連打で3点を失うなど、本来の投球からほど遠かった。一夜明けたこの日、室内で体を動かした後、屋外での全体練習にも参加。その後は電気とマッサージ治療などを受けた。そして試合前。松原チーフトレーナーが、抹消に至った経緯を明かした。
「今回は投球に支障をきたしたと判断した。フォームが崩れたりと、右肩の影響を考えた結果、(抹消について)トレーナーからストップをかけました」
「頸部神経根症」はドジャース時代の2009年8月15日のダイヤモンドバックス戦で、右側頭部に打球を受けたことが原因となっている。その後は慢性的な痛みを抱えながらの投球。開幕前も市内の病院で診察を受けた。症状に関して黒田は「感覚的には1回飛ばして次の登板に準備したい」と説明。最悪の事態を想定した上で、首脳陣が回避措置を取った形だ。
今季は7試合の登板でリーグトップタイの4勝(1敗)。防御率2・93と安定感が光っていた。日米通算200勝まであと3勝だが、シーズン中盤以降を見据えての決断。「チーム方針に従うしかない」とした上で、最短復帰を視野に入れる。
「中6日での調整は苦しかった部分もある。前向きに考えて。せっかくの10日間。大事に使いたい。注射で良くなるなら、それも考えないといけない」
早ければ18日のヤクルト戦(マツダ)から再登録可能だ。「明日?リフレッシュします。できないけど…」と静かに笑った。交流戦終了まで6連戦が続くタイトな日程。ドラフト2位の横山(NTT東日本)、この日抹消が決まった福井、そして黒田と開幕ローテの3人がいなくなる緊急事態。ベテラン右腕には最短復帰が求められるが「僕にできることは10日間以降、ベストに近い状態で上がること」。懸命に、万全に。必死のリハビリを続けていく。