大瀬良1軍へ、交流戦明け6月下旬にも
右肘内側側副靱帯(じんたい)部分損傷からの復活を目指す広島・大瀬良大地投手(24)が14日、マツダスタジアムに隣接する室内練習場で、離脱後初となるフリー打撃に登板した。下水流、野間を相手に、7割前後の力ながら56球を投げた。今後の調整次第ではあるが、早ければ交流戦明け、6月下旬の1軍合流に光が見えてきた。
名古屋で逆転負けした鯉投に、朗報が舞い込んだ。2月22日にチームを離れてから約3カ月。もう患部を気にするしぐさはない。大瀬良が右肘痛で故障離脱後、初のフリー打撃に登板した。
右の下水流、左の野間を相手に直球を中心にカット、スライダーなど変化球を交え56球を投げ込んだ。「打者に向かって投げることができてホッとしています。7、8割くらいの感覚。1つ階段を上がることができた」という言葉に、確かな手応えがにじんだ。
対打者への感触を問われると「想像以上に、真っすぐは思っていたコースに投げることができていました」と収穫。その一方で「変化球がまだコントロールできていない」と課題も見つかった。
当初は2軍戦開始前のマツダスタジアムで、肩肘への負担も考慮して平地からフリー打撃に登板予定だった。それが、直前に隣接する室内練習場に変更。この日のブルペン投球を見た首脳陣と本人の話し合いで、実戦に近い傾斜のあるマウンドからでも投げられると判断したのだ。
投球を見守った佐々岡2軍投手コーチは「来週中にもシート打撃に投げる予定。順調にいけば、21日の(2軍)紅白戦に登板する」と今後の見通しを語った。問題なくこなせば、数試合の2軍戦登板を経て交流戦明けの6月下旬に1軍復帰できる見込みだ。
ここまでは焦る気持ちを抑えながら慎重に調整。打者にボールを投げる練習ができる段階に到達し「技術面についていろいろ考えることができるのはいいこと」と表情は明るい。
好調な打撃陣の活躍で上位を争ってはいるものの、25年ぶりの優勝へ向けては、特に先発陣の奮起は欠かせない。水本2軍監督が「上(1軍)に上がったときに戦力にならないといけない」と話すように、大瀬良の復活は誰もが待ち望むところだ。
そんな期待を大瀬良自身も十分に理解している。「まだ気は抜けないですが、日々状態は良くなっています。(登板後)体の反応も問題ないので」。完全復活への階段を、一歩一歩確実に上がっていく。