新井 野村超え歴代42位2021安打
「広島3-11ヤクルト」(18日、マツダスタジアム)
偉大なる先輩を追い抜いた。広島・新井貴浩内野手(39)が三回、右中間に2点適時二塁打。通算2021安打とし、並んでいた駒大の先輩で球団OBの野村謙二郎を抜いて歴代単独42位に浮上した。投手陣が崩れて逆転負けを喫したが、鯉の4番が5カードぶりの勝ち越しを導く猛打を放つ。
逆転負けを喫したが、主砲のバットは上昇の一途をたどる。新井が三回に右中間を破る2点適時二塁打。駒大の先輩で、球団OBの野村謙二郎を追い抜く通算2021本目の安打。歴代単独42位。またひとつ勲章を手に入れた。
1-0の三回。菊池、丸の連続安打で1死一、三塁と好機で出番が来た。外角低めのシンカーを迷わずフルスイング。右中間を真っ二つに破る一打でリードを広げた。「強引にいかないようにと思い、打席に入りました」。追加点が欲しい場面で、きっちり4番の仕事を果たした。
98年度のドラフト会議前には丸刈り姿で野村氏の自宅を訪れた。何回も何回も目の前でバットを振り、自らを売り込んだ。プロへの強い意欲が実を結び、幼少期から大ファンだった広島のユニホームに袖を通すことができた。大先輩であり、恩人でもある野村超え-。新井は「恐縮です」と言葉を並べた。
それでも喜べる試合ではなかった。八回、先頭・バレンティンが放った平凡なフライを落球。その後の失点につながるきっかけを作ってしまった。「淳平(小野)に悪いことをした。マウンドを見て目を切ってしまった」と痛恨のプレーを反省した。
リーグトップの打率・277を誇る鯉打線も、序盤の3得点以降は本塁から遠ざかった。19日の第3ラウンドで白星を挙げ、5カードぶりの勝ち越しへ。打線の奮起に期待が高まるが、経験豊富な新井に気負いはない。
打点王の阪神・ゴメスに1差に迫る36打点と勝負強さは健在。チームが勝つために1点でも多くの打点をたたき出すためにも、一心不乱にバットを振り込む。オレに回せ-。投手陣だって時に失点を重ね、歯車が乱れることだってある。だが、敵の投手陣が恐れる好調な鯉の4番につなぐことができれば、勝利の道は必ず切り開けるはずだ。