黒田粘投、右すねに打球も軽傷強調
「阪神1-4広島」(20日、甲子園球場)
広島は延長十二回に3点を奪い、2試合連続で延長戦を制した。頸部(けいぶ)神経根症と右肩痛でリハビリを続けてきた広島・黒田博樹投手(41)が、中12日で臨んだ復帰登板で6回を7安打1失点。「粘り強く投げようと思った。ヒットはたくさん打たれたけど、ああやって粘っていけば、こういう形になる」と振り返った。
四回。先頭の福留に左翼線二塁打を浴びた。2死三塁まで粘ったが、ここで高山との対戦。4球目、カットボールが高めに浮いた。一塁左の強烈な打球。新井が好捕したが間に合わず、内野安打で痛恨の失点。先制点を失い、天を仰いだ。
だが、黒田に復帰星を届けようと、野手は再三の好守で盛り立てた。六回、1死二塁のピンチでは、菊池が二遊間の打球を横っ飛びで好捕。「打ててなかったので防ぎたかった。その思いが(グラブの)網に引っ掛かってくれた」と、必死のプレーを振り返った。打っても延長十二回の勝ち越し直後、1死一、二塁から右中間を破る適時三塁打。リードを3点に広げた殊勲の後輩を、菊池は「磯村がよく打ってくれた。ナイスバッティング」とたたえた。
黒田も二回、高山の打球を右すね付近に受けたが、テーピングで巻き、痛みを押して続投。最後まで一丸で戦った結果だ。患部の状態については「よく当たりますね。でもあのくらいは、しょっちゅう当たっているので。調子自体は悪くなかった」と軽傷を強調。次回登板についても、緒方監督は「大丈夫。(間隔を)空けることなく、投げてくれると思う」と説明した。
5時間5分の延長戦を制し、貯金4&0・5差で首位巨人を追う。「こういう展開で勝ったのが大きい。次に向けてしっかり準備したいですね」と黒田。復帰戦で見せたベテランの粘投は、チームに弾みを付ける1勝となった。