黒田 延長星導いた!粘投6回1失点

 「阪神1-4広島」(20日、甲子園球場)

 勝ち越し点が生まれると、ベンチの最前列で喜んだ。首痛と右肩痛による離脱から中12日で臨んだ復帰戦。日米通算198個目の勝利は逃したが、2試合連続の延長勝利。広島・黒田博樹投手は「それが一番ですね」と笑った。6回を7安打1失点。死闘の裏に右腕の粘投があった。

 四回。先頭の福留に左翼線二塁打を浴びた。2死三塁まで粘ったが、高山への4球目、カットボールが高めに浮いた。一塁左の強烈な打球。新井が好捕したが、黒田のベースカバーが遅れた。内野安打で痛恨の失点。天を仰いだ。

 黒田に復帰星を届けようと、野手は再三の好守で盛り立てた。六回、1死二塁のピンチでは、菊池が二遊間の打球を横っ跳びで好捕。黒田も二回、高山の打球を右すね付近に受けたが、痛みを押して続投。最後まで一丸で戦った結果だ。

 「よく当たりますね。でもあのくらいは、しょっちゅう当たっているのでね。調子自体は悪くなかった。ああやって粘っていけば、こういう展開になる」

 首痛も肩痛も、完治したわけではない。だが、手負いの体で1球の重みを体現する右腕に、野手陣が土壇場で応えてみせた。「こういう展開で勝ったのが大きい。次に向けてしっかり準備したいですね」。黒田の復帰と2戦連続執念星で、チームは上昇気流に乗った。

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