ドラ1岡田 プロ初被弾で初星おあずけ
「DeNA3-1広島」(28日、横浜スタジアム)
広島のドラフト1位・岡田明丈投手(22)=大商大=が6回6安打2失点と好投も初勝利はお預けに。四回、筒香にプロ初の本塁打となる2ランを被弾したが、粘り強い投球で試合をつくった。チームは1得点しか奪えず、DeNAに2連敗した。29日は交流戦前、最後の一戦。勝利を手にして新たな戦いに挑む。
振り返り、目で追った白球が青く染まった右中間席へ吸い込まれた。低めを狙った1球は、決して失投ではない。それでも完ぺきにはじき返された。パワーと技術の高さをあらためて感じ取った。プロで初めて許した一発に、岡田が泣いた。
0-0の四回1死一塁で筒香と対峙(たいじ)した。直球で1ボール2ストライクと追い込んだ4球目。真ん中低めに投じたカーブを「うまく捉えられました」。先制を許す2ランとなった。
今永とのドラ1対決は、六回まで投げ6安打2失点。2敗目を喫した。だがパワーピッチャーとしての迫力を示した。二回、筒香の打席では150キロを記録。「思っている通りの真っすぐを投げられた」。ゆったりとしたフォームから力強い球で打者をねじ伏せた。
四球が引き金となり崩れる悪癖も克服した。0-2の五回は今永への四球などで無死一、二塁のピンチを背負ったが、「真っすぐの腕の振りで変化球が投げられた」とカーブやフォークを効果的に織り交ぜ後続を断った。
プロ初勝利はお預けだが先発らしくなってきた。「黒田さんから、試合までの準備について教えてもらいました。打者を研究して(抑える)イメージをつくって登板するように、と言ってもらいました」。レジェンドの助言で迷いが消えた。開幕直後に目立っていた、立ち上がりの不安定な投球は、今はない。
DeNAに2連敗し5カードぶりの負け越し。首位は死守したものの、貯金は「5」に減った。29日は交流戦前、最後の戦いだ。今季は3連敗が一度もない。緒方監督は「6連戦の最後をしっかりと勝って終わりたい」と力を込めた。
次回は6月4日のソフトバンク戦(マツダ)での登板が濃厚だ。「毎試合、毎試合、次につながる投球ができている。そのうち勝てればいい」と前を向いた右腕。昨季の王者に無心で立ち向かい、今度こそプロ初勝利を手にしてみせる。