中村恭平1127日ぶり白星!鯉を救った
「DeNA0-6広島」(29日、横浜スタジアム)
孝行息子じゃ!!広島・中村恭平投手(27)が、5回2/3を3安打無失点で今季初勝利。2013年4月28日の中日戦(マツダ)以来、1127日ぶりのプロ2勝目を挙げた。チームは連敗を2で止め、2カ月連続の勝ち越しを決めた。31日から始まる交流戦。セ・リーグ首位の鯉軍団が旋風を起こす。
喜びを最小限に、淡々と勝利を振り返った。「無事に勝ってよかった」。5回2/3を3安打無失点。連敗中のチームを救う1勝は、2013年4月28日以来、1127日ぶりのプロ2勝目。「とても長かったです」。つぶやいた一言に苦悩、苦労がのぞいた。
「(プロで)1勝しかしてなかったので。気にしないで思い切って、腕を振って投げようと思っていました」
ハイライトは1点リードの五回。安打と2四球で1死満塁とした。山口をフォークで空振り三振に斬ると、梶谷にもフルカウントからフォークで勝負。「ぶん投げです。本塁打より押し出しのがいい」とボール球を打たせ、遊ゴロで脱した。粘りの投球が直後の4点を生んだ。
得意球はスライダー。150キロ近い直球との緩急差で2軍戦では打者を圧倒した。だが、多投することで腕が横振りになるのが悪癖。前回22日の阪神戦(甲子園)では、2回1/3を7安打、4四球の4失点。スライダーに頼り過ぎたことで制球を乱した。生き残りを懸けた背水登板。救いの手を差し伸べたのは黒田だった。
「最初から(ストライクゾーンを)9分割してカツカツに投げたら、オレだってしんどいぞ。最初は2分割、次に4分割。最後はボール球でもいいんだ」
登板前の練習中。歩み寄ったレジェンドは、伸び悩む左腕に投球術を授けた。初球はストライクゾーンを上下2つに分割。2球目は縦にも割って4つに分ける。「あのレベルの人でもそうなら、僕では無理だと。ざっくりでいいんだと思えた」。横振りになる悪癖は腕を振り下ろすフォークで修正。五回の梶谷には1ボールから、5球連続で使って抑えた。“ざっくり”が最大の武器になった。
前回登板後に再調整も検討されたが、緒方監督がチャンスを与えた。「恭平には期待しているんだ」。六回、右ふくらはぎがつって途中降板。指揮官は「よく投げてくれた」とねぎらった。連敗を2で止め、2カ月連続の勝ち越しが確定。チーム、自身にとっても大きな1勝を自信に変えて交流戦に挑む。