誠也パ防御率1位男・石川からマルチ

 「交流戦、ロッテ5-0広島」(31日、QVCマリンフィールド)

 広島が今季3度目の完封負けで、交流戦黒星スタートとなった。防御率1・14の好投手・石川の前に、打線が沈黙。これで交流戦開幕戦は通算3勝8敗1分け。敗戦の中で鈴木誠也外野手(21)がマルチ安打と孤軍奮闘。緒方孝市監督(47)は「またあした、頑張りましょう」と、2戦目以降の巻き返しを強く誓った。

 黒星発進となった交流戦で、その存在感は際だった。鈴木が2安打を放ち、今季12度目となる複数安打を記録した。左右に打ち分けた、低いライナー性の打球。海風を切り裂くスイングは、次戦につながる一振りだ。

 「真っすぐとシンカーが良い投手。まずは、その真っすぐに振りまけないように打席に立ちました」

 二回2死一塁では、石川の外角149キロの直球を逆らわずに右前へ。四回2死一塁でも内角球に、うまく体の内側からバットを出し、左翼線を破る二塁打を放った。試合前まで防御率1・30と安定感抜群の右腕から2安打。「待って、待ってではなく、積極的に打ちに行けている」。この試合で11試合連続安打を記録。持続する好調な打撃に、胸をなで下ろした。

 敵地で白星をつかみ取るための打撃内容と言ってもいい。QVCマリンは、この日も代名詞の海風が球場全体を支配した。最大9メートルの強風が、刻一刻と風向きを変え吹き込んだ。四回、エルドレッドが中堅へ放った大飛球はフェンス手前で失速。捉えたはずの丸、松山の飛球も一気に押し戻された。2年ぶりとなった敵地での戦い。石井打撃コーチは「こういう(風が強い)状況では打ち上げるのではなく、ゴロを打たないといけない」と指摘した。

 チーム打率、得点、本塁打の3部門で12球団トップを誇りながら、交流戦開幕戦で今季3度目となる完封負けを喫した。これで初戦は3勝8敗1分けになった。昨季は9勝9敗と五分で終えたが、過去11度の交流戦で勝ち越しは2度しかない。チームにとって、このパ・リーグとの18試合は“鬼門”となっている。

 それでも戦いは始まったばかり。巻き返す機会は数多く残されている。「次がある。気持ちを切り替えて臨みたい」と鈴木。同じく石川から複数安打を記録した新井は「しっかり準備をして、次に備えていきたい」と前を向いた。雪辱を期して、ナインが再びグラウンドに立つ。

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