岡田がかわいそう…7回0封初星ならず
「交流戦、楽天2-1広島」(11日、コボスタ宮城)
またも悲運…。広島のドラフト1位・岡田明丈投手(22)=大商大=が7度目の先発に臨み、7回7安打無失点と好投した。1点リードを守り、勝ち投手の権利を得て降板したが、チームは継投失敗で逆転負け。投げるたびに輝きを増していくルーキーの初勝利が、あまりにも遠い。
歓喜に沸く楽天の選手を、一塁ベンチからみつめた。表情一つ変えない。つかみかけた白星は、またスルリと逃げた。岡田の初勝利が遠い。救援登板したヘーゲンズで逃げ切りに失敗し、まさかの痛恨逆転負けを喫した。
「抑えてくれと思っていました。ピッチャーゴロがああいう不運な形になって、流れが悪くなってしまった。仕方がないですね」
淡々と振り返ったのは八回だ。ヘーゲンズが茂木の投前ゴロを捕球できず内野安打とし、四球と連打で2点を失い、逆転された。
岡田は7回7安打無失点。制球も安定し、四球は1つ。要所を抑え、スコアボードに0を並べた。プロ初の無失点投球。1点のリードを守り抜き、救援にバトンをつないだ。
六、七回は得点圏に走者を置くピンチを背負った。だが、最速149キロの直球とカーブ、スライダーなどの変化球を織り交ぜながら脱出。「しっかり投げ切るということはできました。打ち取っていこうと思っていたので」と手応えも口にした。
緒方監督は「もっと長いイニングを考えていたけど、(それまでの)回の入り方が良くなかった」と、7回97球での継投を説明。リードした展開での降板後、逆転負けは3度目。指揮官は「得点圏に走者を置いてからは、スイッチが入った投球を見せてくれたけどね。なんとか勝ちを付けてあげたかった。オレも悔しい」と続けた。
再昇格後、投げる度に成長し続けている。前回、4日のソフトバンク戦(マツダ)は5回1失点の好投。だが、降雨コールドで引き分けに終わった。5月14日の中日戦(ナゴヤドーム)から2失点、1失点、2失点と先発としての役割を果たしてきたが、打線の援護に恵まれない。
手応えを口にする一方で、四球と安打で4度、先頭打者を出塁させたことを反省。「先頭をしっかりと抑えないといけなかった。そういうところで攻撃の流れをつくれなかった。次回登板はもう少ししっかり投げられるようにしたいと思います」。未勝利ながら、チームにとっては頼もしい存在となりつつある。