新井&松山激打!エルド負傷に燃えた
「交流戦、広島6-2西武」(15日、マツダスタジアム)
アクシデントを全員でカバーした。広島は三回にブラッド・エルドレッド内野手(35)が右太もも裏を痛め、途中交代。チームに暗雲が立ち込めたが、2-2の七回、新井貴浩内野手(39)の左前打で勝ち越すと、エルドレッドの代わりに出場した松山竜平外野手(30)の2点三塁打で勝負を決した。連勝でカード勝ち越しとし、貯金は7。2位・DeNAとのゲーム差を今季最大の4に広げた。
真っ赤に染まった本拠地の視線を独り占めした。新井が一塁を回り力強く両手をたたく。終盤に訪れた千載一遇の好機で勝負強さを見せつけた。これぞ4番の仕事。左前適時打で勝利を呼び込んだ。
「2、3打席目のチャンスでランナーをかえせなかった。今度こそは、と思って気合を入れて打席に入った。点が入って良かった」
2-2の七回。2死一、二塁で出番が来た。4球目の内角球をコンパクトに振り抜き、左前に運んだ。三、五回の得点機でいずれも凡退。悔しさを晴らす一打になった。
主砲の一打でカープに流れが来た。松山が「初めてだと思う」というスタンディングでの2点適時三塁打を放つと、鈴木も中前適時打で続いた。4本の長短打を集め一挙4点。終盤のビッグイニングで一気に試合を決めた。
緊急事態を全員でカバーし、つかみ取った大きな白星でもある。三回の攻撃で、エルドレッドが走塁中に右太もも裏を痛めて負傷交代した。6月上旬は不調に陥っていたが、前日14日に16号ソロを放ち、復調の兆しを見せ始めていたE砲。ベンチに衝撃が走った。
それだけに新井は燃えた。開幕から共に主軸を担い、チームをけん引してきた。「彼はいつでもどんなときも一生懸命。打ったら常に全力疾走している。プレーヤーとして尊敬できる」。勝利を届けることが何よりも早期復帰への力になると信じた。エルドレッドの代走として出場した松山も「チーム一丸、みんなで助け合えた」と振り返った。
交流戦に入り、セ・リーグのチームに4カード連続で勝ち越してきた西武に連勝。首位を守り2位・DeNAとのゲーム差を今季最大の「4」に広げた。セ界で唯一の貯金は今季最多タイの「7」となった。
過去2度しか勝ち越しがない鬼門の交流戦で、白星を積み重ねている。「みんなで助け合ってね。束になって掛かっていきたいと思う」と新井。その言葉がチーム全員の思いだ。