野村8勝!貯金も8!カープ首位堅持

 「交流戦、広島6-0西武」(16日、マツダスタジアム)

 広島の野村祐輔投手(27)がハーラー単独トップの8勝目を手にした。試合前から降り続いた雨の中でも粘り強さを発揮。打たせて取る投球で要所を締めて、6回6安打無失点にまとめた。チームは今季2度目となる同一カード3連戦3連勝。貯金も今季最多となる「8」に増やし、首位をガッチリとキープした。

 大粒の雨がユニホームをぬらす2点差の五回2死一、二塁。野村が最後に選んだのはカットボールだった。一打で試合展開が大きく変わってしまう正念場。振り子の針が左右に振れる中、勝負をかけた1球は今季、白星を積み重ねる要因となっているウイニングショットだった。

 「あそこは思い切って、気持ちでいくしかなかった。逃げる姿を見せるのはダメ。仲間を信じて投げた」

 2-0の五回。1死からメヒアへの四球をきっかけに得点圏に走者を進めた。1死一、二塁で浅村を空振り三振。そして鬼崎を迎えた。カウント2ボール1ストライクからの4球目。左打者の手元で鋭く内側に切れ込む1球で二直に打ち取り、リードを守りきった。

 試合前から雨雲が広島の空を覆った。雨脚は弱まるどころか徐々に強さを増した。グラウンドはぬかるみ、制球は定まらない。五回まで毎回、得点圏に走者を背負った。それでも「足が滑ることがあったけど、何も感じないようにした。雨を意識したら打者と勝負にならない」。ポケットにあるロジンを何度も触り指先を整えた。無心で右腕を振り、要所を締めた。

 今季は奪三振数が少ない。「前は追い込むまでに変化球を使っていた。今は追い込むまで直球が多くて、それでファウルが取れている」。直球のキレに手応えがあることで、直球系のカットボールやツーシームが決め球として使えるようになった。「三振を取るタイプじゃない」。真っすぐと同じように見せて、打ち損じを誘う。理想の投球に近づいてきた。

 ハーラー単独トップの8勝目。交流戦3戦3勝を含め、これで4連勝をマークした。登板機会がないため17日にも出場選手登録を抹消される予定だ。

 チームは今季2度目の同一カード3連戦3連勝で首位に位置する。「自分の勝ち星よりもチームが勝ったことが一番。これからも勝ちに貢献できる投球をしていきたい」。さらりと言った言葉が、何より頼もしい。復活した右腕が、独走状態のチームにまた新たな上昇気流をもたらした。

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