夏バテの鯉?原爆の日に今季初4連敗 黒田でも止められず…巨人と4・5差
「広島2-3巨人」(6日、マツダスタジアム)
広島・黒田博樹投手(41)がNPB復帰後ワーストの11安打を浴び、5回3失点で7敗目を喫した。毎回走者を背負いながら粘り強く投げたが、2-1の五回に4本の長短打で2点を失い、逆転を許した。チームは今季初の4連敗で、2位・巨人と4・5ゲーム差。本拠地で迎えた8月6日「原爆の日」の一戦は、悔しさだけが残った。
ふがいない気持ちを抑えることができなかった。五回を投げ終えた黒田が、ベンチにグラブをたたきつける。「戦っている以上、打たれるのは悔しい」。チーム、そして広島にとって大切な1日。連敗ストップを託され、本拠地で迎えた71回目の「原爆の日」の登板は、無念さだけが残った。
二回、2死から下位打線に好機を作られて失点。2-1の五回は長野の二塁打をきっかけにピンチを広げ、坂本に同点の左前適時打。さらに村田の中越え適時二塁打で一気に逆転を許した。
初回の1死一、三塁を切り抜けた。だが「回を追うごとにコントロールミスが多く、ストライクを欲しがった」と唇をかむ。昨年5月15日・DeNA戦(マツダ)以来となる会沢とのコンビには「しっかりとミーティングしてマウンドに上がっているので、関係ない」と言葉を結んだ。
8月6日は、広島に世界で初めて原爆が投下された日だ。旧広島市民球場が本拠地だった頃は、地元で試合が行われることはなかった。09年に本拠地がマツダスタジアムに移転。それをきっかけに「原爆の日」にも広島で試合が開催されるようになった。昨年に続き今年で4回目を数えた。
「市民球場が向こうにあったときは、球場に入るとき原爆ドームが見えていた。被爆した土地にプロチームがあるのは素晴らしいこと。その一員としてプレーできるのは幸せなことだと思う」。野球ができることに感謝する1日。平和への思いも胸に上がった特別なマウンドだった。
今年で被爆71年。廃虚の中から復興へ向けて歩む人々の、心の支えになったのがカープだった。「いつだってマウンドに上がったら勝ちたい」。チームは今季初の4連敗。2位・巨人に4・5ゲーム差に迫られた。それでも首位であることに変わりはない。最後の優勝は25年前の91年。広島の街に再び歓喜の渦を巻き起こすために、黒田は再びマウンドに上がる。