広島4点逆転!六回に“神風”3安打2敵失 12球団トップ33度目逆転星
「広島5-3阪神」(11日、マツダスタジアム)
神風が吹いた。相手の2失策が絡んで4得点。12球団トップの33度目の逆転勝ちは、各選手が役割を徹底した結果だ。敗戦ムードが漂い始めた2点ビハインドの七回。鈴木、安部の連打から反撃は始まった。今季の象徴となる「つなぎの野球」で勝ち取った。
「正直、少し複雑。ミスで3点もらった。強いて言うなら、会沢が進塁させるバントをしっかりできた。あれで相手が少し焦った」
緒方監督が振り返ったのは、無死一、二塁からの会沢の犠打。高く跳ねた打球は、芝でバウンドが少し変わる。慌てて捕球した藤浪が一塁へ悪送球。二走・鈴木が生還して1点差に迫ると1死後、続く田中の一ゴロをゴメスが本塁に悪送球。同点、勝ち越しを決めた。
今季、石井打撃コーチを中心に、三振数減をテーマに掲げた。昨秋キャンプから実戦を想定し、求めたのはつなぐ意識。“殊勲打”の田中は「その(転がす)気持ちだった。巨人も負けたので、きょう勝ったのは大きい」と、一丸野球での勝利を笑顔で振り返った。
勝利後はベンチ裏で、選手全員を集めた緊急ミーティング。高ヘッドコーチの掛け声で、ミスに乗じた勝利を教訓に「最後まで何が起こるか分からないから」と、全力疾走など基本の徹底を再確認した。残り36試合。勝利を力に、気を引き締めて頂点に向かう。