大瀬良 カープの逆転呼ぶ投魂17球 中継ぎ3戦連続無失点で2勝目
「広島6-4ヤクルト」(19日、マツダスタジアム)
笑顔がはじけた。丸と上がった今季、初めてのお立ち台。2勝目を手にした広島・大瀬良大地投手が「最高です!」と声を張り上げる。首位を独走するチームの底力を示した一戦。諦めない。逆転劇を呼び込んだのは、1回を3人で斬った背番号「14」の快投があったからだ。
2点ビハインドの八回から3番手で登板。長距離砲のバレンティンを三ゴロに打ち取り勢いに乗った。今浪、谷内と連続三振。直球の最速は148キロを計測した。「逆転するために流れを持ってきたいと思っていた」。魂を込めた17球だった。
右肘の故障で2軍生活だった前半戦。14年に自身と同じ右肘のじん帯を痛め、そこから復活した巨人・菅野を参考にした。無料動画サイトを見て、菅野が右前腕と指の強化トレーニングをしていたことを知ると、それを導入した。「少しアプローチを変えてみようと思った」。いろいろな角度から復帰への道を探った。
先発ではなく、今は中継ぎが仕事場だ。それでもチームの勝利に貢献できることが、何よりもうれしい。「ケガをしてつらかったけど、この場所にいられることが幸せ。優勝する瞬間に、その輪に入っていたい」。優勝へと突き進むチーム。大瀬良が、その一翼を担う。