菊池でM16!また九回痛快V劇場、広島3戦連続逆転勝ち
「中日2-3広島」(26日、ナゴヤドーム)
「逆転の広島」だ!広島は2-2の九回、菊池涼介内野手(26)が勝ち越しの左前適時打を放った。二回に先制されるなど、中日に2度リードを許したが、諦めない攻撃と堅い守りで3試合連続、今季39度目の逆転劇。チームは3連勝で、この日、2位・巨人が敗れたため優勝マジックは「16」に。悲願へ一歩、いやもう一歩前進した。
笑顔が咲き乱れ、明るい声が響き渡った。勝利後のベンチ裏。選手一人一人が「ナイスゲーム!」と言い、タッチを交わす。自分たちのスタイルを貫き、もぎとった、価値ある39度目の逆転勝利。堅守から勝ち越しにつなげた大きな1勝だ。
絶体絶命のピンチで、いつも通りのプレーをみせた。2-2の八回。ジャクソンが先頭のエルナンデスに四球を与え無死一塁。大島の右中間を破った打球にキクマルがスーパープレーだ。
丸が一直線に打球に追いつくと、中継の菊池へ。菊池も素早く反転して、ノーバウンドで捕手の石原へ送球した。「キャンプからやってきたことができた。キクのおかげ」と丸が言えば、菊池は「(三塁を)回ると思っていたからそのまま投げた。たまたま」と謙そんした。それでも寸分の狂いもない完ぺきな連係で、勝ち越しを許さなかった。
リーグナンバー1の攻撃力に勝るとも劣らない、堅い守備がチームを首位へと押し上げてきた。河田守備走塁コーチは「あのプレーで勝ったみたいなもの。2人とも“どストライク”を投げてくれた」と目を細めた。緒方監督が就任して以来、目指してきたのは、守り勝つ野球。優勝が現実味を帯びても、ナインのプレーに変化はない。
攻撃でも粘り強さが光った。0-1の六回に丸の16号ソロで同点。一度は再びリードを許したが、八回に追いつき、九回1死満塁から菊池が左前適時打を放ち、試合をひっくり返した。「みんながチャンスをつくってくれた。苦しかったけど、逆転できると、みんなが信じてプレーしている」。ヒーローインタビューで菊池が選手の声を代弁して胸を張った。
24日に2位・巨人に勝利して優勝マジック「20」が点灯した。そこから勝ち続けて「16」まで減らした。「連日連夜、ベンチにいるメンバーを含めチームが一丸になっている。攻守で活躍して勝ちきった1勝だ」。着実に悲願へ突き進む。指揮官の言葉が、チームの強さを物語っている。