梵341日ぶり打席で好機広げた 今季1軍初昇格「優勝の瞬間見てみたい」
「中日7-5広島」(28日、ナゴヤドーム)
広島・梵英心内野手の名前がアナウンスされると、ナゴヤドームが温かい声援に包まれた。15年9月22日ヤクルト戦(神宮)以来、341日ぶりの打席。「本当に声援を送ってくれてありがたいです」。背番号6が帰って来た。
6点を追う八回、1死三塁の絶好機に代打で登場した。バットを2、3度振り、右打席へ。安打はならなかったが、ボールを見極め四球で出塁し、チャンスメーク。続く会沢の適時二塁打につなげた。梵はその裏から三塁の守備位置に入り、平田のゴロを軽快な足さばきで処理した。
今季は2年ぶりの春季キャンプ2軍スタート。若手選手らとともに汗を流した。開幕後も1軍に昇格することなく2軍で声が掛かるのを待ち続けた。2軍では39試合に出場し、打率・225、1本塁打、7打点。8月19日のウエスタン・中日戦(由宇)では八木から本塁打を放ち、猛アピールした。
ファームの遠征に帯同しない日も、大野練習場の室内でマシン相手に黙々と打ち続けた。「出遅れたので、しっかりとチームに貢献できるようにしたい」とここから巻き返す気持ちでいっぱいだ。昨季まで2年間選手会長を務めた梵は「優勝の瞬間はやっぱり見てみたい」ときっぱり。25年ぶりの悲願達成へ、ベテランの思いは強くなるばかりだ。