新井、先制V撃 M4!マツダスタジアムで胴上げだ!
「ヤクルト3-4広島」(4日、神宮球場)
広島が10安打4得点でヤクルトに勝利。巨人が中日に敗れたため、優勝マジックは「4」となった。新井貴浩内野手(39)が先制V打。リーグトップの96打点で、2010年以来の100打点、11年以来の打点王を視界に捉える。最短優勝は7日・中日戦(マツダ)。史上最速優勝の可能性も現実味を帯びてきた。地元で胴上げ-を合言葉に勝ち続ける。
左半分が真っ赤に染まったスタンドを眺めながら、帰り道を歩いた。注がれる大歓声とともに、鮮やかに赤く揺れる。25年ぶり歓喜を目前に、盛り上がりは最高潮。殊勲の新井は「皆さんが喜んでくれる。それが一番うれしい」と笑った。先制V打。4番が決めた。
「大声援をいただいて気合も入る。それにいつもそうだけど広輔にキク、丸。たくさん塁に出て走ってくれる。彼らのおかげです」
感謝の決勝打は三回に生まれた。1死一塁から菊池が右前打でチャンスメーク。丸の一ゴロが進塁打となって、2死二、三塁で新井が打席に立った。1-1から3球目。見逃せばボール球、内角低めの変化球を狙った。打球が三遊間を抜けると、二走菊池も俊足を飛ばして本塁生還。一気に2点を先制した。
リーグトップの96打点。10年以来の打率3割&100打点、11年以来の打点王を視界に捉える。39歳。背中で引っ張る男はムードメーカーでもある。3日はベンチスタート。人一倍大きな声でナインを鼓舞した。赤松が明かす。「(1軍野手)最年長の人があれだけ雰囲気を作ってくれると、続かないわけにはいかない」。常に全力のプレースタイルは、後輩らから尊敬の的となった。
1日の試合前には「覇気」と、プリントされたTシャツで練習。「安部さんから『これで覇気を出しなさい』と言われて…」と笑った。後輩がコメントで多用する言葉。イジり、イジられながら雰囲気を作る。2000安打、300本塁打、1000得点。今季達成した節目の記録は全て勝ち試合だった。新井さんに勝利を-は、首位の確かな原動力だ。
マジックは2つ減って4。最短優勝は7日・中日戦(マツダ)で、2リーグ分立後、最速優勝の可能性もある。地元で胴上げはチームの総意だ。「気にはなるけど、こればかりは巡り合わせもある。今までのスタンスで。自分たちにできることを一戦、一戦やっていく」。25年ぶりの悲願に向けて、最終コーナーを回った。勝ち続ければいい。歓喜のゴールテープはすぐそこだ。