広島、悲願の25年ぶり優勝 今季を象徴42度目の逆転勝ちで決めた

25年ぶりのリーグ優勝を決め、高々と宙を舞う広島・緒方孝市監督=東京ドーム(撮影・出月俊成)
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 「巨人4-6広島」(10日、東京ドーム)

 優勝へのマジックを1としていた広島が巨人に逆転勝ちし、25年ぶり7度目のリーグ優勝を果たした。12球団で最も長い間、優勝から遠ざかっていたチームが、今季は圧倒的な強さで独走。82勝は、1984年の75勝を32年ぶりに更新する球団記録。貯金35も球団史上最多と、まさに記録ずくめの優勝となった。

 優勝を決めた試合は、「逆転の広島」と言われた今季を象徴する試合だった。42度目の逆転勝ち。初回に2点を先制されたが、下を向く選手は誰もいない。投打とも粘り強く戦い、勝機を見いだした。

 三回は相手の失策に足を絡め、無安打で1点をもぎ取った。そして四回は、今季急成長を遂げたプロ4年目の鈴木、そして松山の連続アーチで逆転。鈴木は五回にも2打席連続となる2ランを放った。先発の黒田も、決して調子がいいとはいえなかったが、6回3失点と試合をつくった。今村、ジャクソン、中崎のリリーフ陣も必死のピッチングでリードを守った。まさに全員でもぎ取った、記念すべき1勝だった。

 今季は緒方監督のタクトで、若手、ベテラン、外国人選手が絶妙にかみ合った。田中、菊池、丸の上位打線がシュアな打撃と足でかき回した。中軸は、チーム復帰2年目の新井がリーグトップの打点を挙げる勝負強さを発揮。鈴木は打率は3割を大きく超え、26本塁打をマークした。

 投手陣ではジョンソン、野村の2人がリーグ最多勝を争う活躍。新井と同じく復帰2年目の黒田も9勝を挙げ、さらに精神的支柱としてチームを引っ張った。抑えの中崎も、チームに無くてはならない存在となった。

 優勝を逃し続けた24年間、FAなどで次々と主力選手がチームを離れた。国内のFA選手を獲得したことは一度もない。98年からは15年連続Bクラスの屈辱も味わった。苦しい時を耐え、地道に選手を育て、ついに大輪の花を咲かせた。

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