広島 超攻撃オーダーで快勝「ルナ6番エルド7番」CSの対左であるぞ
「中日0-4広島」(13日、ナゴヤドーム)
広島が中日を投打で圧倒した。10日のリーグ優勝決定後、初勝利。昇格したばかりのルナを「6番・三塁」、エルドレッドを「7番・左翼」で起用。短期決戦を見据え、左投手用の攻撃型オーダーを試した。8番を打つ石原慶幸捕手(37)の3点適時二塁打が先制V打。CSファイナルSに向けて、再出発の1勝となった。
菊池が、下水流が一塁にヘッドスライディングを見せた。リーグ優勝決定後も緩まない勝利への執念。「次の目標がある」という緒方監督は、言葉通りのオーダーを組んだ。短期決戦を見据えて6番にルナ、7番にエルドレッドを置いた攻撃型打線。見事的中した。
四回だ。中日のエース・大野に対し、先頭の新井が四球で出塁。鈴木が中前打でつなぐと1死後、エルドレッドの右前打で満塁とした。続く石原は初球、真ん中低めの136キロツーシームを狙い打ち。打球が左中間を破ると、一走のエルドレッドも激走でホームに生還した。
「前の打席でも三振していたので、いい結果になってよかった。なかなか打てなくて、迷惑をかけてきた。僕が打てれば点になるし、投手を楽に投げさせることができる。しっかりやっていきたい」
攻撃でも殊勲となった石原は、静かにチームの勝利を喜んだ。二回には1死二、三塁で空振り三振。対左投手用の攻撃オーダーだけに、8番打者の役割が一層増してくる。1カ月後に待つCSファイナルS。優勝が決まっても、残り10試合は消化試合にならない。緒方監督が力を込める。
「新井も4番で固定しているわけじゃないから。外国人選手も色々と使いながらになる。誰に関しても固定するつもりはない。考えながらやっていく」
助っ人野手の2人起用は、4月16日の巨人戦(東京ドーム)以来5カ月ぶりだ。短期決戦は好不調の見極めが重要。田中、菊池、丸の上位3人に鈴木は外せないが、4人以外は投手の右左、相性によっても流動的になる。右投手なら松山、安部らが控える攻撃陣。残り試合で最善を模索する。途中出場の安部や、下水流、野間が内野安打を記録。CSへ手応えの1勝となった。
「数多く援護できるように、しっかりと頑張っていきたい」とは石原。今季83勝目。シーズンは残り10試合で、90勝の大台も見える。1カ月のテスト期間。若手を中心に、投打でサバイバルが始まっている。CS突破、そして32年ぶりの日本一へ。勢いは止まらない。