誠也「天才」前田抜いた28号!CSも頼むぞ
「広島1-4阪神」(22日、マツダスタジアム)
CSも頼むぞ!!広島・鈴木誠也外野手(22)が九回、完封負けを阻止するソロ弾を放った。同学年の阪神・藤浪から4試合ぶりの今季28号。高卒4年目の記録としては、OBで「天才」と呼ばれた前田智徳の本塁打数を抜いた。短期決戦となる10月12日からのCSファイナルS。突破、そして日本一へ、若き5番がカギを握る。
敗戦で奪った1点よりも、接戦で失った2点を悔いた。開口一番、鈴木が振り返ったのは守備での反省。0-2の八回無死一塁、高山の打球の落下地点は右翼フェンス際。ジャンプ一番、伸ばしたグラブに一度は入った白球は、勢いが止まらず客席に落ちた。
試合が決まる2ラン被弾。「球際の弱さです。一度、グラブには入っていたので落としてはいけなかった」。だが、打席では雪辱に燃え、すぐにやり返した。最後の28号で意地を見せた。
「ここ最近、自分の中で結果が出てなかったので。考え過ぎていた部分があった。修正できたのはよかった」
九回。二飛、三塁内野安打、四球で迎えた4打席目だ。初球、真ん中低め148キロ直球を狙った。迷いなく振り抜いた打球は、バックスクリーンへ一直線。藤浪の完封を阻止した。
「一矢報いた1本。ダメ、ダメで終わってしまうよりも、修正できるのは必要なこと」とは石井打撃コーチ。先に待つ短期決戦を見据えても貴重な一発だった。
見習ったのは同級生の打撃だ。阪神・北條が四回、ジョンソンから先制ソロを放った。積極姿勢のフルスイングから生まれた一打。鈴木は右翼から、その姿を見た。「何を考えてやっているのかな、と。思い切って打ちに行っていた。それが最後の打席につながった」。マウンドにも同じ22歳の藤浪。意地があった。
「自分の中で全体的に消極的な感じがあって、そこまでふがいなかった。思い切って割り切っていこうと思っていた。投手も同級生なので。同じ抑えられ方はしたくなかった」
4連敗したチームを鼓舞する28号。球団の高卒4年目としては93年・前田の本塁打数を抜いた。残り3試合。30本塁打も見えてきたが「意識はないです」と関心を示さない。
3週間後に待つのはCSファイナルS、日本一を懸けた戦いだ。「つなぐ意識を忘れずやっていく」と鈴木。リーグ優勝の象徴となった攻撃を、22歳は全力で体現していく。