広島先勝でCS突破率100% 黒田&新井サプライズビデオで一丸
「セCSファイナルS・第1戦、広島5-0DeNA」(12日、マツダスタジアム)
CSファイナルSが開幕し、リーグ王者の広島が先勝。アドバンテージの1勝を含む2勝目を挙げた。三回に丸佳浩外野手(27)、新井貴浩内野手(39)の連続適時打で先制するなど、投打でDeNAを圧倒。ファイナルS初戦を制したシーズン1位チームは過去、全チームが日本シリーズ進出を決めている。突破確率100%。32年ぶりの日本一へ、一気に駆け上がる。
1球ごとに地鳴りが響く球場。初の本拠地CS開催に選手が、ファンが、広島の街が熱く燃えた。1日の今季最終戦からのブランクは感じさせない。青の勢いを赤い力がはね返した。圧倒的な強さを誇ったシーズン同様、一丸で手にした先勝。殊勲は丸だ。新井だ。
「向こうは勝ち上がってきて勢いがある。先手、先手を取ることができた。今日の展開は、僕たちが今シーズン続けてきた野球」
丸はナインの総意を誇らしく語った。試合が動いたのは三回。1死二塁で打席に立った。初回に全く同じ場面で空振り三振。雪辱に燃えた。4球目。真ん中に甘く入ったスライダーを見逃さなかった。打球は中堅を越えるフェンス直撃の先制適時二塁打。二走・田中が悠々と先制ホームを踏んだ。
つなぐ野球で勝ち上がったチームは「次の打者に勇気を与える」が合言葉。丸の先制打に新井が続いた。追い込まれてから外角のスライダー。必死に食らい付き、一、二塁間を破った。丸が俊足を飛ばして生還。序盤に奪った2点が流れを呼んだ。大粒の汗を流した新井が笑顔で振り返る。
「何とか走者をかえしたかった。よかったです。ナイスゲーム。地に足を着けて戦えた」
試合前にサプライズがあった。黒田と新井が中心になり、今季の軌跡を7分の映像に編集。140インチのプロジェクターを用意し、全員で鑑賞した。ヘーゲンズ、ジャクソンが音楽を担当し、苦しんだ春のキャンプ、好プレーやサヨナラの瞬間、各選手が活躍した場面を特集。音楽にはこだわり、締めに流れる「Hall of fame」には、野球殿堂という意味がある。
新たな
歴史を
作るのは
俺たちだ!!!
試合前からボルテージは最高潮。黒田は最後に流した言葉に思いを込めた。選手、ファンが歓喜し、涙するシーンが映る。この日も3万1276人が背中を押した。リーグ優勝は通過点。32年ぶりの日本一は手の届く位置にある。「一戦必勝。明日はまた違う流れになる。いい流れを持ってきたいです」と丸。初戦を制した1位チームのCS突破確率は100%。さあ、頂点へ。新たな歴史を作ってくれ。