野村6回0封 2冠男CSでも快投!お立ち台で言葉に詰まり…

 「セCSファイナルS・第2戦、広島3-0DeNA」(13日、マツダスタジアム) 

 まさかの出来事に、満員のスタンドは大爆笑に包まれた。丸と上がったお立ち台で、広島・野村祐輔投手が言葉に詰まった。勢いよく締めくくろうとしたものの「言葉が出てこなかったんです」。数秒間の沈黙。直後、丸には公開でダメ出しを食らった。それでも笑顔、笑顔。大仕事をやってのけた充実感と安堵(あんど)感でいっぱいだった。

 最多勝と最高勝率に輝いた実力そのままに、DeNA打線を手玉にとった。「試合をつくるより、勝っている状況をつくることが大事。五回まででもいいと思って飛ばして投げた」。初めての走者をエルドレッドの失策で許し2死満塁とした四回は、倉本を一ゴロ。五回のピンチでも踏ん張り、6回3安打無失点と責任を果たした。

 6日の練習試合で、首の右側に打球が直撃。打者1人、わずか8球でマウンドを降りた。その後、実戦登板なしでこの日を迎えた。「首に不安があると書かれていたので。それを言い訳にはしたくなかった」。シーズン以上に間を取って投げる場面があった。集中力を、さらに研ぎ澄まして右腕を振り抜いた。

 今季、こだわったのがローテを守ること。腰や右肩に不安があっても登板回避だけはしなかった。中6日の調整期間の中で、体の回復を優先するためルーティンを崩した。「1試合への執着心がすごかった」。トレーニングをサポートしてきた松原チーフトレーナーが驚いたほど。過去4年、シーズンを戦い抜いた経験はない。今季は自らの殻を破り、この日もケガを言い訳にせず、勝利への道を切り開いた。

 最高の結果で、第3戦に先発が濃厚な黒田にバトンをつないだ。「チーム一丸、広島一丸となって戦っていきたい」。あと1勝で日本シリーズ行きの切符をつかむ。ヒーローインタビューで声を張り上げた野村が、大きな推進力をもたらした。

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