緒方鯉が先勝“大谷神話”崩した!采配ズバリ日本S47年ぶり本盗

 「日本シリーズ・第1戦、広島5-1日本ハム」(22日、マツダスタジアム)

 采配ズバリ-。広島は緒方孝市監督(47)の奇襲がはまり先勝した。二回は相手バッテリーの隙を突いて重盗を仕掛け、鈴木の本盗で先制点を奪取。新井を外して4番に松山、6番にエルドレッドを起用した打線も機能し、四回はその2人のソロアーチで日本ハム・大谷を攻略した。32年ぶりの日本一へ、大きな一歩を踏み出した。

 両手をたたき、勢いよくベンチを出た。雨を振り払う真っ赤な声援が、背中を押す。25年ぶりの戦いは、緒方監督の奇襲で幕を開けた。7試合の短期決戦。初戦勝利の価値は大きい。一丸野球の1勝。大谷攻略で先手だ。

 「仕掛けて、仕掛けてね。簡単に打てる投手ではない。1点を取るのが難しい。ワンチャンスあるか、ないか。ラッキーな結果だ」

 ハイライトは二回だ。1死一、三塁で打席に石原。2度、スクイズのサインを送ったが、ファウルで失敗。カウント2-2から空振り三振に倒れたが、ここで一走安部がスタート。捕手・大野が投手へ向けた送球は、大谷がよけて二塁に向かった。

 二遊間のカバーが遅れる間に、すかさず三走の鈴木が生還。足攻で先制点を奪った。日本シリーズの本盗は1969年の土井正三(巨人)以来、47年ぶり5度目。相手バッテリーの隙を突く“神ってる”攻撃で大谷を揺さぶった。今季はリーグ最多の118盗塁。機動力野球の真骨頂だ。

 「三塁走者の鈴木の判断は難しかったが、よくスタートを切ってくれた」。CSファイナルS。4勝1敗(1勝のアドバンテージを含む)とDeNAの勢いをはね返したが、4試合でも盗塁は1つもなかった。勝利後、指揮官は「機動力を意識したが、できなかったのは自分の経験のなさ」と反省。短期決戦で得た失敗、教訓を糧にした。

 CS突破の験を担ぎ、試合前には“黒田ビデオ”が流れた。今季の節目のシーンを編集した映像を作成。各選手の活躍に、サヨナラ勝ちや優勝の瞬間、広島の街、ファンの涙…。140インチのプロジェクターを用意し、全員で観賞した。「新たな 歴史を 作るのは 俺たちだ!!!」。黒田の言葉に一丸となった。

 今回は小窪選手会長を中心に、黒田へ逆サプライズを用意した。全選手に引退を報告した際の映像などを挿入。18日の会見で語った「一丸となって日本シリーズを戦いたい」というメッセージを監督、コーチらも全員で見た。皆がモチベーションを高めた。最後には黒田の「日本一を取るぞ!!!」。初戦の重圧は消えた。有終Vを。戦う理由を再確認した。

 4番に松山、6番にはエルドレッドを起用。四回、2人のソロでリードを広げた。先発のジョンソンを方程式でつないだ。選手起用も的中。シーズン同様にカープの強さを見せつけた。「ウチの戦い方で勝てた。球場の雰囲気が後押ししてくれる」と指揮官。あと3勝だ。32年ぶりの日本一へ。一丸野球でまずは連勝を決める。

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