4番・新井 黒田先輩に捧げる一打を…勇姿「心に焼き付けたい」
「日本シリーズ・第3戦、日本ハム-広島」(25日、札幌ドーム)
広島の新井貴浩内野手(39)が25日の日本シリーズ第3戦(札幌ドーム)で、同シリーズに初先発することが24日、決定的となった。「4番・一塁」が濃厚。第3戦は今季限りでの引退を発表している黒田が先発する。尊敬する先輩に捧げる一打を放ち、32年ぶりの日本一王手へ導く。
待ちに待った初先発が巡ってくる。しかも、黒田も日本シリーズ初登板初先発。球界最高峰の戦いで先輩との競演だ。新井が気持ちを高ぶらせた。
「しっかりと目に焼き付けるじゃないけど、一緒に戦えるのはあと少しなので、心に焼き付けたいと思う」
25日の第3戦から2連勝した場合、黒田と同じユニホームを着られるのはあと2試合。寂しい気持ちもあるが、「シーズン通り一戦一戦という気持ちでやっている。2勝しているのは関係なく、明日の試合に全力を尽くしたい」。黒田を日本一で送り出すために結果だけを求めていく。
チームは日本シリーズ初戦から2連勝。32年ぶりの日本一へあと2勝とした。ただ、最高の流れの中、新井は2試合連続で先発から外れていた。
第1戦は代打で日本シリーズ初出場。第2戦は出場がなかった。ベンチから声を出す場面が多かったとはいえ、独特の空気は肌で感じ取った。「チームの雰囲気はすごくいい。普段通りカープらしい野球ができていると思う」。札幌ドームは完全アウェーになることが確実だが、チームの勢いに乗せられて、ほどよい緊張感で試合に臨めそうだ。
心強いデータもある。交流戦が始まった05年以降、札幌ドームでは23試合で打率・312、2本塁打、10打点。「全然、イメージが湧かない」と話すが、相性は悪くない。
北海道に移動後は静養に充てた。準備は万全。主砲のバットで日本一に王手をかける。