ジョンソン“無冠”でも沢村賞 バッキー以来52年ぶり助っ人受賞
プロ野球創設期の名投手、故沢村栄治氏を記念した「沢村賞」の選考委員会が24日、都内で開かれ、広島のクリス・ジョンソン投手(32)が選出された。外国人投手の受賞は1964年のジーン・バッキー投手(阪神)以来52年ぶり2人目。また、最多勝など主要タイトル獲得なしでの受賞は、81年の西本聖(巨人)以来となった。
日本シリーズ期間中に届いた吉報に、ジョンソンは気を引き締め直した。外国人投手の受賞は64年のバッキー以来2人目。「非常に感激しているし、うれしさでいっぱい。彼の次に名前を刻むことができて、本当に光栄だね」と喜んだ。
開幕投手を務めた今季は、1年を通して安定。リーグ優勝の立役者となった。主要タイトル獲得なしでの受賞に、選考委員長の堀内恒夫氏は「タイトルを取っていないが、それを差し置いても1番の成績。26試合の登板で、24試合でQS(クオリティースタート=先発6回以上で自責点3以内)は驚異的な数字だ」と説明した。
球団の外国人投手では初の受賞。選考基準となる7項目でジョンソンは15勝、防御率2・15、26登板、勝率・682で4項目をクリアした。「1人の力で達成できたものじゃない。石原とのチームでない限り、賞を取ることはできなかった」。二人三脚の受賞に感謝しきりだ。
「いつかは日本に行きたい、日本で野球をしたいと思っていた」。来日2年目。父方の祖母が日本人で、幼少期から日本に憧れた。「一番栄誉のある賞。来年も同じ賞を取れるように鍛えたい」。95、96年の斎藤雅樹(巨人)以来の、2年連続受賞を目標に掲げた。
この日は札幌ドームで、投手指名練習に参加。チームの勝敗、状況次第では中4日で、27日の第5戦登板が見込まれる。「登板日まで状態を上げて、100%でマウンドに上がりたいね」とジョンソン。勝って最高の栄誉に花を添えるつもりだ。