「日本シリーズ・第３戦、日本ハム４－３広島」（２５日、札幌ドーム）

　勝負の分岐点。２度訪れた選択。１、２戦目で的中し続けた緒方采配が、ことごとく裏目に出た。日本シリーズでは球団２度目となる痛恨のサヨナラ負け。敗戦後、広島・緒方孝市監督は前を向き「勝ちたかった」と言葉を絞り出した。

　「勝ち切るチャンスがあった中で、勝ち切れなかったのは自分の責任。申し訳ない」

　暗転したのは八回だ。ジャクソンが先頭の中島に四球。犠打と左飛を挟んだ２死二塁で畝投手コーチがマウンドへ。ここまで２安打の大谷を歩かせ、４番・中田勝負を確認した。だが、結果的に逆転となる２点二塁打を献上した。

　さらに延長十回だ。大瀬良が１死から西川を四球で歩かせた２死一塁で打席に大谷。１－１からの３球目に二盗を許したところで再び畝投手コーチがマウンドへ。大谷勝負を伝えた。「攻め方と投手の球筋を考えた中で、自分の判断があった」と指揮官。だが、続く４球目が一、二塁間を抜け、敗戦が決まった。

　「クロ（黒田）が粘って投げてただけに、勝ちたかった」。ＤＨ制のポイントを３、４番と考え、いずれも勝負を懸けた一手。裏目にはなったが、全力を尽くした末の敗戦だ。「また明日。一戦一戦、しっかり戦うだけだ」と緒方監督。まだ１敗。優勢に変わりはない。信じた一丸野球で反撃を断ち切る。