カープが鯉党のために億単位の大投資 球場近くにグッズ専用大型倉庫新設
広島がマツダスタジアム近くに2階建てのグッズ専用大型倉庫を建設することが3日、わかった。これまで球場外にあった3カ所の倉庫を新倉庫に集約。業務の効率化を図り、迅速な販売につなげるのが目的だ。今季のグッズ売り上げは、球団史上最高額になる見通し。新たな設備投資で、ファンの満足度を高めていく。
25年ぶりのリーグ制覇で、広島はカープ一色が続く。その流れを継続するために球団は、新たな設備投資に踏み切った。マツダスタジアムの近くに新倉庫を建設。グッズ専用として活用し、カープファンのニーズに迅速に応えていく構えだ。
数億円を投じる新倉庫は、本拠地から南東に500メートルの場所に建設され、鉄筋2階建ての延べ面積1300平方メートル。これまでマツダスタジアムをのぞくと、宇品と大洲(2カ所)に倉庫があったものの、宇品は球場や広島市内のグッズショップから距離が遠く、両倉庫とも規模が小さかった。また、球場内の倉庫も手狭となり、球団は新たな物流の拠点を模索していた。球団首脳は「近年は待たないとグッズを買えないことがたくさんある。倉庫を一括にすることで効率が上がる。待ってもらう時間も少なくなる」と説明する。
「カープ女子」という言葉が生まれるなどここ数年、カープ人気は急上昇した。それに伴いグッズ売り上げは右肩上がり。55万円のグラブ革ソファなど話題を集めた商品があれば、ユニホームなど充実した定番品も売れた。売り上げは2014年が約25億で、15年は約35億円。今年は昨年を上回ることが確実となり、球団史上最高額になる見通しだ。
7月から整備を始めており、12月上旬に完成予定。本拠地のグッズショップ内に素早く商品を供給できる利点に加え、通信販売事業にも好影響がある。通信販売が売り上げで占める割合は約3割だが、球団関係者は新倉庫の完成によって「今は1日、最大で発送は700個くらい。それが1000個まで拡大できるだろう」と話す。新たな発送システムも導入する予定で、これまで以上に早く多くの人に商品を届けられるようになるという。
鯉党にとってスピードアップは何よりもうれしい。球団は“ファンサービス”を充実させて、新たな顧客を生み出しながらがらリピーターを増やしていく。